取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです。

離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。(~その1~はコチラ)

今回お話を伺った大輔さん(仮名・42歳)は、32歳の時に、シングルマザーと結婚。現在は2人の間に1人の子どもも授かり、妻と2人の子どもとの4人で暮らしています。連れ子の物心つく前に再婚したこともあり、大輔さん自身も長女を実の子のような気持ちでずっと接していたそう。しかし、第二子で長男が誕生した時、大輔さん自身も気づかないある差が生まれていました。

「下の子が生まれたことで、長女が赤ちゃん返りになってしまって、妻は母乳が出ないこともあったので、私が仕事中以外はずっと長男の世話をしていました。その時期がたまたま携帯をスマホに替えたタイミングで、息子の写真や動画を撮りまくっていたんです。そのことで、周りからある指摘を受けるようになって……」

SNSのアイコンには息子の写真。周りから差別と受け取られ……

ある指摘とは、写真フォルダにある数、そしてSNSにアップする子どもの写真数の違いでした。

「まったく無意識で。長男の写真ばかりをアップしていました。どの家庭も下の子が生まれたばかりだとそうなるんじゃないんですかね。そんな思いもあって、最初の頃は気にしていなかったんです。

でも、周りは普通とは見てくれなかった。私たち夫婦のことを知っている職場の仲の良い友人たちから指摘を受けて、普通の家族なら気にしないでいい部分を、これからも気にしていかなければいけないことを知りました」

そこから意識して娘の様子を見るようになったという大輔さん。周りに指摘された“差”を娘には気づかれてはいけないと、その一心だったそう。

「娘もまだ小さかったし、自分と弟の違いなんて気付いていないとは思いますが、もし弟のほうが大事にされているなんて意識を持ってしまったらかわいそうだと思って。でも今振り返ると、子どもが父親よりも母親に懐くなんて当然のこと。なのに、妻とは血のつながりがあるから、私より一緒にいたがるのかもしれないと思ってしまうこともあって。思考が悪いほうにどんどん行ってしまっていました……」

【次ページに続きます】

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