義両親のギスギスさが私たち夫婦にも。自分のお金さえ使いにくくなった
早期退職の時義父は54歳。その後義母は義父を連れ出す意図もあり、2人は海外旅行に行きます。そのお金を敦子さん夫婦で工面したそうですが、それがいけなかったと振り返ります。
「義母からお金を貸してほしいと言われたわけではなく、夫がそうしたいというので、私も賛同しました。渡したお金は50万ほど。ヨーロッパをすこし回ってきたみたいで、楽しかったと報告を受けました。それだけだったらいい話なんですが、翌年も私たちのお金で海外旅行に連れて行ってほしいと言われてしまって。さすがにちょっと毎年というのは無理だと、それとなく夫から伝えてはもらったんですが……」
家での2人の時間がしんどいのか、義母は都内でアクセサリー作りの習い事を始めて、その週2の習い事の度に私たちの家で晩御飯を食べて帰るようになったとか。
「義実家にお金がどれだけ残っているのか、詳しくは知りません。退職金もたくさん出たと聞いていますが、やっぱり老後を考えるとそこまで裕福な使い方はできないと思います。その中での習い事は、2人の距離をうまく保つためには必要だったのかなって理解もできます。でも、その度に家に来て時間を潰すようになったのが、徐々に負担になっていきました」
そして今、敦子さん夫婦にまでその余波が来ていると言います。
「夫は義母に優しすぎて、自分の稼ぎから毎月数万渡しているようです。私たちは財布は別々で決まった額を共通の財布に入れて、その他は自由というようにしているのでそれは別に構わないんです。でも、私たちは義両親に気遣ってコロナ禍よりずっと前から旅行に行けなくなりました。国内旅行だけでもって思っていたんですが、義両親を気遣う夫とは行く行かないの平行線状態が続き、旅行の話さえ出せない状況です。さらには服などを自分のお金で買ったとしても夫婦で共有できなくなりました。なんで私たちまでギスギスしないといけないのでしょうか……。今はコロナ禍で家族間の移動も制限されている状態で、義母が来ることはなくなりましたが、このギスギスさは今も残っている状況です。これがずっと続くのかと思うと、夫婦生活をどう継続させていけばいいのかわからなくなってきています」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。