京都の西郊、風光明媚な花園の地に広大な敷地を誇る臨済宗妙心寺派の大本山、妙心寺。
大きな山門や仏殿、法堂を中心にして約40もの塔頭が並ぶ景観は圧巻です。
かつてこの地は花園法皇の離宮御所があり、建武4年(1337)に関山慧玄(かんざんえげん)を開山として禅寺に改められました。
かつては足利義満の不興をかい寺領を没収されるなどの不遇の時代もありましたが、永享4年(1432)に中興し、さらには戦国武将たちの寄進を受けて多くの塔頭が造営されました。そのため、この時期に描かれた狩野派や長谷川派、海北派などの数多くの桃山絵画は妙心寺の至宝として今に受け継がれています。

桃山時代(17世紀)妙心寺

桃山時代(17世紀)妙心寺

桃山時代(16~17世紀)
京都・龍泉庵 画像提供:京都国立博物館 ◎後期展示
妙心寺の開山である関山慧玄の唯一の弟子であった微妙大師(みみょうだいし)は、妙心寺第二世として初期の妙心寺を整備し、基礎を作った高僧です。
大阪市立美術館で開催の興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」は、微妙大師の650年遠諱を記念して、妙心寺の歴史や至宝を通じて、現代に引き継がれた禅の系譜を辿る展覧会です。(2月7日~4月5日)

鎌倉時代・嘉暦4年(1329)妙心寺 ◎前期展示
本展の見どころを、大阪市立美術館の学芸課長代理、寺島典人さんにうかがいました。
「見どころ1は、開山忌の大方丈での設えを展示
開山忌は、妙心寺開山・関山慧玄の忌日の法要で、1年のなかでもっとも重要な法要のひとつです。江戸時代における開山忌では、大方丈で特別な設えによる荘厳(しょうごん 仏堂や仏像を天蓋や幢幡などでおごそかに飾りつけること)がなされていました。
本展では、狩野山楽筆「龍虎図屏風」や海北友松(かいほうゆうしょう)筆「花卉図屏風」といった大型の屏風群を立て廻し、高僧の頂相や墨跡など、寺宝中の寺宝で荘厳された風景を紹介します。

桃山時代(17世紀)妙心寺

桃山時代(17世紀)妙心寺
見どころ2は、狩野山楽・山雪による天球院の襖絵を大公開!
天球院は、寛永8年(1631)に池田輝政の妹、天球院殿によって創建された妙心寺の塔頭です。狩野山楽・山雪父子によって描かれた方丈の襖絵は、金地濃彩の鮮やかな色彩が現在も往時の美しさのままに残り、江戸初期絵画の名作といわれています。普段は非公開ですが、本展では天球院内と同じ形で再現展示します。

江戸時代 寛永8年(1631)
京都・天球院 画像提供:天球院(綴プロジェクト)

江戸時代 寛永8年(1631)
京都・天球院 画像提供:天球院(綴プロジェクト)
見どころ3は、大阪の妙心寺派
大阪府内には現在、約50カ寺の妙心寺派寺院があり、本展の開催にあたり、うち11カ寺で文化財調査を実施しました。そのなかには平安~鎌倉時代の仏像などといった創建時より古い像や、白隠慧鶴やその弟子といった江戸時代の妙心寺派の高僧の書画も多数確認されました。本展では、白隠が禅宗の開祖・達磨大師を描いた絵や、地元大阪の普段非公開の寺宝を展示します。
本展を通じて禅の真髄を体感していただけましたら幸いです」

画像提供:花園大学国際禅学研究所
撮影:第一スタジオ 堀出恒夫 ◎後期展示
見どころいっぱいの重厚な展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。
【開催要項】
興祖微妙大師六百五十年遠諱記念特別展「妙心寺 禅の継承」
会期:2026年2月7日(土)~4月5日(日)
前期:2月7日~3月8日 後期:3月10日~4月5日 ※展示替えあり
会場:大阪市立美術館
住所:大阪府大阪市天王寺区茶臼山町1-82 天王寺公園内
電話:06・4301・7285(なにわコール)
展覧会公式サイト:https://art.nikkei.com/myoshin-ji/
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし2月23日は開館)、2月24日(火)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝











