梅雨は、低気圧と高気圧の入れ替わりや寒暖差が激しいことから、自律神経が乱れやすく、頭痛や肩こり、倦怠感、眠気などの体調不良を感じる人も多いのでは。
今回は、これまで『サライ.jp』でお伝えしてきた梅雨の体調不良に関する記事をご紹介します。原因と対処法を知ることで、不快な日々から解放されるはずです。
1:梅雨の頭痛は漢方薬で改善しつつ、生活習慣も見直す
漢方医学では、梅雨の時期の頭痛は悪天候に反応して、身体の中の水の分布が乱れることで生じるととらえています。
「五苓散(ごれいさん)」、「呉茱萸湯(ごしゅゆとう)」などの漢方薬を服用するのと同時に、生活習慣で体質改善をすることも大切です。
浴槽に浸かって体幹部に向かってマッサージをしながら入浴する、適度な運動をする、身体を冷さない、水の偏在を治す食材(はと麦・小豆・昆布など)や気を巡らせる食材(紫蘇・薄荷・みかんなど)を取り入れる、など生活習慣を見直して体質改善を心掛けましょう。
※ジメジメする梅雨時に気になる頭痛【漢方で始める「大人の養生法」】
2:馴染みある食材を使ったお手軽レシピで、雨の日頭痛を和らげる
年間約2000人という漢方相談を受ける、国際中医薬膳管理師・漢方アドバイザーの久保奈穂実先生によると、体に余計な湿気がたまる梅雨の時期は、胃腸を元気にして、余分な水分を排出する食べ物を意識してとり、適度に体を動かして汗をかき、体の水はけをよくすることが大切だそう。
雨の日に出やすい頭痛には、「豆もやしの塩昆布和え」がおすすめ。豆もやしと塩昆布には、利尿作用と熱を冷ます作用があるので、むくみ対策にも効果的です。ゆでたもやしに塩昆布、鶏がらスープ、ごま油を加え、混ぜ合わるだけの手軽さなので、副菜として添えましょう。
※なおみん先生に聞くゆる漢方アドバイス|6月は梅雨の不調対策
3:疲れ、だるさ、むくみ、食欲不振…。そんなときは、消化がよい温かいうどんを
むくみ、疲れやだるさ、頭痛、食欲不振などの不調を感じる人は、「とろろ昆布とささみのおうどん」で、疲れた胃を労わりつつ、しっかりと栄養補給を。
白だし仕立てのうどんに、ゆでた鶏ささみをほぐして叩いた梅干しと合わせたもの、とろろ昆布をトッピングするだけ。
蒸し暑い梅雨は冷たい麺が食べたくなりますが、体を冷やさないよう温かい麺類がベター。だしと梅干しの酸味が食欲をそそり、鶏ささみやうどんなど、消化にいい食材を使用しているのもポイントです。食欲がない時は、栄養価の高い雑穀米や卵、大豆製品などもおすすめ。
※梅雨の不調対策におすすめ!簡単にできる「とろろ昆布とささみのおうどん」
4:天気に左右されない体をつくり、不調を未然に防ぐ
30年以上にわたって気象と痛み、自律神経との関係を研究し続け、日本で初めて「気象病外来・天気通外来」を開設した、“天気痛ドクター”こと佐藤純医師によると、日本は気候の変動が大きく、“気象病大国”と言ってもいいほどだとか。そのため、天気の変化に伴う不調は誰の身にも起こりうる症状だといいます。
天気をコントロールすることはできないけれど、症状が出る前に予防したり、天気に左右されにくい体をつくっていけばよいとのこと。気象病の多くは、もともと持っていた慢性的な痛みや症状が天気の影響を受けて悪化するものなので、佐藤医師のクリニックでは、現在ある痛みを未然に防いだり、コントロールしたりする術を身につけていく治療を行っています。
※1万人を治療した天気痛ドクターが教える「天気が悪いと調子が悪い」理由
5:胃腸の疲れと自律神経を整え、倦怠感を改善する
倦怠感は日常生活を送るうえでも支障が出てしまうので、軽視できません。
体のだるさは、中医学では、五臓のなかで、脾という部分が関わっているといわれています。脾は、消化・吸収・全身への輸送を行っている部分で、脾のなかの「気」が少なくなってしまうと、体全体へ栄養が行き渡らなくなり、体のだるさが出てきてしまうのだとか。
そんなときには、「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を。胃腸の調子を整えて倦怠感を改善し、自律神経を整えてくれる漢方薬です。
※体にだるさを感じたら!「倦怠感」を和らげる漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】57
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梅雨時期に体調不良を感じるようなら、早めに生活習慣を見直して備えることが大切です。
今年は健やかに、梅雨を乗りきりましょう。
文/編集部