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健康

50代ヘルニア患者の腰痛の原因は「体幹インナーマッスル」の衰えだった【川口陽海の腰痛事件簿 第3回】

取材・文/わたなべあや

腰痛トレーニング研究所の川口陽海(かわぐち・はるみ)さんは、自身も長年腰痛に悩んだ末に、独自の腰痛緩和メソッドを編み出し、これまで1万人もの腰痛に悩む人を治療してきました。本連載では、そんな川口さんの過去の治療事例を元に、腰や脚の痛みやしびれの解決法を実例と共にご紹介します。

今回の相談者は、松田隆弘さん(仮名)。50代の男性で、身長168cmで体重70kg、いわゆる中年太り体型です。仕事はデスクワークが中心で、ほぼ一日中座りっぱなし。趣味のゴルフは、週に2回、各1時間みっちり練習し、月2~3回はコースを回っていました。しかし、それだけでは体幹インナーマッスルを鍛えることはできず、加齢と共に弱っていったのです。

ある日、松田さんは、突然足に激痛が走って動けなくなってしまいました。取るものも取りあえず病院の整形外科を受診しMRI検査を受けたところ、第2腰椎と第3腰椎の間の椎間板が潰れて飛び出し、神経を圧迫。椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛と診断されました。鎮痛剤を飲んでも座薬を飲んでも痛みは収まらず、ブロック注射も一向に効果が感じられなかったそうです。結局、松田さんは3回も転院して、ドクターショッピングを繰り返し、その間ずっと痛みに耐えてきました。

「通勤の時は、電車やバスのつり革につかまりながら、必死に痛みをこらえ、額にはじわっと脂汗がにじみ出てきました。バスを降りてから会社までは徒歩なのですが、数メートル歩いてはうずくまり、また数メートル歩くことの繰り返し。本当に毎日が地獄のようでした」

整形外科の医師からは、「しばらく様子を見て、痛みが続くようなら手術しましょう」と言われたのですが、なんとか手術せずに治したい。そう思って見つけたのが川口さんの腰痛トレーニング研究所だったのです。

「インナーマッスルを鍛えて腰痛を緩和する手法は非常に画期的で、これだ!と思いました」

まず、松田さんの姿勢を確認した川口さんは、

「中年太りの人にありがちな、下腹がポコッと出て腰が反っている姿勢で、体幹インナーマッスルが弱っている。そのため、腰や骨盤周囲の筋肉に大きな負担がかかり、腰が痛むのだろう。背骨にも負担がかかり、椎間板ヘルニアになった」と考えました。

では、川口さんの施術法を見てみましょう。

「弱った体幹インナーマッスルを強化して回復を促し、腰や足の筋肉の負担を減らして痛みを和らげましょう。そうすると背骨にかかる圧力も減るので、ヘルニアにもいい影響が出るかもしれません」と、全体の目標を示した川口さん。

さらに詳しく痛みの原因を探るため、松田さんに仰向けになってもらい、股関節の隙間から小殿筋を押してみました。小殿筋とは股関節の奥にある筋肉のことなのですが、ここを押さえると、松田さんは「あっ!痛てててて~!!」と思わず叫びました。

「松田さんの場合、小殿筋を押さえると、お尻の右側から右足の外側のラインに激痛が走ります。これは、『小殿筋のトリガーポイント(こり)』が原因で起こる典型的な症状なのですが、病院ではしばしば坐骨神経痛と誤診されてしまいます。まずは、この筋肉をほぐしていきましょう」

小殿筋のトリガーポイント(こり)

川口さんは、手技で小殿筋を10~15分もんで緩めました。すると、若干痛みが和らぎ、少し歩くのが楽になりました。痛みが落ち着いたところで、次は、体幹インナーマッスルの基本トレーニングについて指導。なんと、このトレーニングが松田さんの腰痛だけでなく、後々椎間板ヘルニアの状態までも変えていったのです。

体幹インナーマッスルを鍛えるための「腹式呼吸を使った基本トレーニング」は、全部で5段階。姿勢は仰向け、膝を立てた状態で行います。

(1):腹式呼吸で息を吐ききる:
お腹が空っぽになるようにしっかり息を吐き、おへその下の部分(下腹部・丹田)が凹むように力を入れる。

(2):骨盤底筋を縮める:肛門をすぼめるように力を入れる。

(3):(1)と(2)を同時に行う:息をしっかり吐きながら、肛門をきゅっとすぼめる。

(4):腰を丸める:仰向けになった時に腰の部分にできる隙間をなくすように、腰を丸めて床に押し付ける。

(5):(3)、(4)の動作を同時に行う:息を吐きながら肛門をすぼめ、腰を丸めて床に押し付ける。

以上の動作を行う時に、背中や腰、足などに力を入れないように注意します。力を入れるのは、腹筋と骨盤底筋だけです。

 

小殿筋のトリガーポイントをほぐしてもらい、体幹インナーマッスルを鍛えるための「腹式呼吸を使った基本トレーニング」を教わった松田さん。

「初回は、こんな方法があったのか!と感激し、これなら痛みから解放されるかもしれないと思いました。先生の説明も分かりやすく、よく理解できたので、早速自宅でもトレーニングを開始したのです」

松田さんは、毎日風呂上がりに30分くらい「腹式呼吸を使った基本トレーニング」を行いました。どんどん痛みが和らいでいくのを実感し、3週間後にはほとんど痛みを感じないまでに回復。さらに1ヶ月後、病院で再度画像診断を受けたところ、放射線科の医師は、「ヘルニアが引っ込んでいる!」と、驚きを隠しませんでした。

トレーニング前とトレーニング後のMRI画像。ヘルニアが引っ込んだように見える

【今日のポイントまとめ】
(1)体幹インナーマッスルが弱ると、背骨や周囲の筋肉に過剰な負担がかかり、椎間板ヘルニアになったり痛みが生じたりすることがある。
(2)体幹インナーマッスルのトレーニングをすると痛みが和らぎ、ヘルニアが引っ込むことがある。
(3)「小殿筋のトリガーポイント(こり)」による痛みは、坐骨神経痛と間違われやすい。


指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。

【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
http://www.re-studio.jp/index.html

取材・文/わたなべあや
1964年、大阪生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2015年からフリーランスライター。最新の医療情報からQOL(Quality of life)を高めるための予防医療情報まで幅広くお届けします。趣味と実益を兼ねて、お取り寄せ&手土産グルメも執筆。

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