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皆さんは漢方薬についてどのようなイメージをお持ちでしょうか? 漢方薬は、心身全体の不調や、病気と健康の間の状態である「未病」(発病はしていないが、なんとなく具合が悪い)へのアプローチが可能です。そのため、病院に行くほどでもない不調や、受診したものの診断名がつかなかった不調への対処にも漢方薬は適していると言われています。

しかし、漢方薬がどういった症状に効果があるのか、詳しくは知らないという方も多いのでは。そこで今回は、クラシエ薬品株式会社が行なった、漢方へのイメージや効果への期待感を探る調査結果をご紹介します。最後には、自分に合った漢方がわかる基礎情報もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

女性疾患への有用性も認知が高い傾向に

まず始めに、漢方薬にどういった症状の改善に効果があるかイメージを尋ねたところ、「冷え症」が36.0%で最多の回答になりました。冷え性は冬特有のものではなく、夏場では冷房による冷えに悩まされている方が多くいます。
次いで「胃腸の不調」が続いており、身体面の不調に対する改善効果を認知している方が多い結果に。

また、「更年期に伴う不調」と「女性特有の悩み(※1)」は、ともに27.0%の方が改善効果を認識しており、女性の不調に対して漢方薬が有効であるという認知も広がっている様子がうかがえます。

一方で、最も有名な漢方薬の一つである“葛根湯”に代表される「風邪」への症状改善イメージは、23.2%にとどまる結果となりました。

ストレス不調への漢方ニーズの高さが明らかに

続いて、漢方薬に効果があるとしたら、試してみたいものをうかがったところ、「ストレスによる不調」が最も多い回答となり、精神面の不調に対する漢方ニーズの高さが明らかになりました。また、「冷え症」、「胃腸の不調」に関しては前問と同様に上位にランクインしています。

一方で、症状改善イメージでは下位だった「不眠・風邪・頭痛」といった症状も上位に入る結果となりました。漢方で症状を改善したいというニーズは高いものの、改善効果の認知にはギャップがあることがわかります。

20~50代女性は「女性特有の悩み」と「更年期」に高いニーズが

次いで、男女別に結果を見ると、女性では20代から50代で、「女性特有の悩み(※1)」と「更年期」が上位にランクインしています。女性特有の疾患への漢方ニーズの高まりは、近年のフェムテックの盛り上がりなどが影響している可能性も考えられます。

※1 女性特有の悩みは、生理痛、生理不順、PMS、産後ストレス等を指します。

男性では30代から50代の働き盛り世代で「ストレス」が1位となりました。さらに、「ストレス」から派生すると考えられる「不眠」や「胃腸の不調」に対する症状の改善意向も高く、心身の不調にお悩みの方が多い様子がうかがえます。

自分に合った漢方を知るには

「証(しょう)」について知る

「証」とは、自覚症状及び他覚的所見から、互いに関連し合う症候を総合して得られた状態(体質、体力、抵抗力、症状の現れ方などの個人差)をあらわす漢方独特の用語です。「証」をみて漢方薬を選ぶことで、高い効果を発揮し、副作用を少なくすることができるとされています。そのため、同じ病気でも人により異なる漢方薬を使うことや、人と違う病名であっても同じ漢方薬を使うこともあるほか、「証」が合えば性別に関係なく服用できる点も特徴です。「証」を見極めるうえで、重要となる下記の4つの項目をチェックしてみてください。

体質について知る

漢方では、人間の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3つで構成されると考えられており、この3要素の状態により虚証(不足している状態)と実証(めぐりが悪い状態)に分けます。3つの要素と2つの状態で、体質タイプは大きく気虚(ききょ)・気滞(きたい)・血虚(けっきょ)・瘀血(おけつ)・陰虚(いんきょ)・水滞(すいたい)の6つの性質に分けられます。体質によってなりやすい症状や対処法が決まっているため、自分の体質を知り、症状の改善や体質改善を行ないましょう。

・気虚=「気」が不足している状態
エネルギーが足りていないため、疲れ、倦怠感、体が冷えやすいなどの症状があります。また、胃腸も弱り気味なので冷たいもの、脂っこいものは避け、睡眠や休養時間を確保しましょう。

・気滞=「気」の巡りが悪く停滞している状態
主に自律神経系のコントロールが不安定なため、不安、憂鬱感、片頭痛などの症状があります。気の巡りをよくするために、ジャスミン茶など、香りの通りの良いものを取りましょう。

・血虚=栄養素である「血」が不足している状態
栄養素が不足することで、貧血の傾向やめまい、しびれやけいれんなどの症状が現れます。適度な休息を取り、規則正しくバランスの良い食生活を心がけましょう。

・瘀血=「血」の巡りが悪く停滞している状態
血流が悪くなり老廃物が溜まると、肌荒れ、肩こり、関節痛、頭痛などの症状が現れます。運動やストレッチなどで血流を良くすることを意識しましょう。

・陰虚=「水」や「血」が足りておらず、体に潤いがない状態
体を潤し熱をさます働きのある陰液(水分・栄養素)が不足することで、口・のどの渇きや乾いた咳などの症状や、のぼせ、手のひら・足の裏のほてり等が現れます。適度な水分摂取を心がけ、辛味の強い食べ物は控えるようにしましょう。

・水滞=水分代謝が悪く、「水」が体内で停滞している状態
余分な水分が局所に停滞することで、体が重だるく感じたり、頭痛やめまい、むくみなどの症状が現れます。軽い運動をして、汗をかき、余分な水分や老廃物を出しましょう。

対応できる症状は幅広く、顔・頭部、肩・腰・足、全身、内臓などさまざまな疾患に対応することができます。現在は、自分で選択が可能なわかりやすい一般用漢方薬も発売されており、ご自身で自分に合う処方を見つけられる機会が広がっています。一方で、1つの疾患に対してその人の症状や体にあったいくつかの処方を組み合わせるケースもある為、漢方薬選びに迷った場合には、専門家への相談もおすすめです。

【調査概要】
○調査対象:全国の20代~70代の男女400名(有効回答数) 
○調査期間:2023年2月27日 ~ 2023年3月2日
○調査方法:インターネットアンケート/クラシエ調べ(株式会社ドゥ・ハウスmyアンケートlight利用)

文/ふじのあやこ

 

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