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1日目《函館から苫小牧へ》【実録・JR北海道全線踏破10日間の旅】

長万部を出て、10分余りで小幌に到着する。トンネルとトンネルの間、わずか80mほどの間につくられた駅で、もともとは信号所である、下車しても付近の山か海岸線にしか行けないという、まさに日本一の「秘境駅」である。

トンネルを抜けて到着した小幌駅のホームには、こぼれ落ちそうなほどお客さんがいた。数年前に小幌駅の廃止が話題になって以来「一度はおとずれてみたい駅」になっているらしい。噂には聞いていたが予想外の人数だ。ガラガラだった車内は満員になった。

隣のボックス席に座ったグループは60代くらいのハイキングスタイル。「朝8時半の列車で着いて、一日いたのよー」「海岸にもいって、山ではほら、」とカバンの中にいっぱい詰まった山菜を見せてくれる。

計算すると小幌駅の滞在時間は7時間以上。駅の廃止問題をきっかけに、JRは期待に反して新たな「観光地」を生み出してしまったのかもしれない。もっとも彼らは付近の駅に車を置いてきているため、礼文、洞爺とすぎるうちに次々下車してしまったから、JRの売り上げは微々たるものである。いっそのこと札幌から直通の小幌行きを、週末限定の急行列車で走らせればいいのに。

海岸に作られた北舟岡駅。午後の太陽が水面を輝かせる。

東室蘭駅には16時55分到着。すぐ目の前に苫小牧行きのディーゼルカーが停車していて、みんなそちらに乗り換えるか下車してゆく。が、こちらはそうはいかない。室蘭駅までのショートトリップが待っている。

現在は地味なローカル線だが、昭和時代は石炭を積んだ長い貨物列車が走り、街のいたるところが「鉄の匂い」であふれていた。製鉄所と港のはざまに駅がある、40年ほど前、この沿線に降り立った時の感想だ。その面影は薄れたけれどもまだあちこちに残っている。石炭、製鐵、貨物線、九州の筑豊地域と共通する空気が夕方の車窓に流れていた。

輪西~御崎の間にある室蘭名物のサッカーボール塗装のガスホルダー(Gus holder)

苫小牧駅に並んだ、北海道色と日高線色のディーゼルカー。

室蘭駅に着いたのはまだ空に明かりが残るころ。せっかくここまで来たら、焼き鳥を食べねばならぬ!ところだが、そんなことをしていると日がとっぷりと暮れてしまう。室蘭に泊まれば問題解決だけど、そうはいかない明日は長丁場だ。折り返しの電車に乗り込み苫小牧を目指す。

室蘭~苫小牧は電化区間だが、運転コストの関係かディーゼルカーがメインで運行されている。車内に夕暮れの斜光線が差し込んだ。 鷲別駅付近

白老駅で特急「すずらん」に道を譲る。ホームにいたのはこれから札幌まで帰るという二人連れ。タイから来て今日はここまで遊びに来たという。

薄暮の社台駅

東室蘭から苫小牧まで約一時間半。登別駅付近から苫小牧駅までは殆ど一直線だ。海岸線と国道、そして線路がほぼ並行するので、景色もほぼ変わらない。ただ空の色だけが蒼の濃さを増していく。道路の向こうに噴火湾の水平線が見えては隠れ連なっていた。

【1日目乗車区間】

《2日目に続く!》

文・写真/川井聡
昭和34年、大阪府生まれ。鉄道カメラマン。鉄道はただ「撮る」ものではなく「乗って撮る」ものであると、人との出会いや旅をテーマにした作品を発表している。著書に『汽車旅』シリーズ(昭文社など)ほか多数。

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