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旅行

実録「青春18きっぷ」で行けるJR北海道全線の旅:2日目《苫小牧から札幌へ》

昨年夏『サライ.jp』に連載され好評を博した《実録「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅》。九州・枕崎駅から北海道・稚内駅まで、普通列車を乗り継いで行く日本縦断の大旅行を完遂した59歳の鉄道写真家・川井聡さんが、また新たな鉄道旅に出た。今回の舞台は北海道。広大な北の大地を走るJR北海道の在来線全線を、普通列車を乗り継ぎ、10日間かけて完全乗車するのだ。

文・写真/川井聡

前回【1日目《函館から苫小牧へ》】の乗車区間。1日目の旅の様子はこちらです。

【2日目】

>>前回【1日目】から続く

JR北海道全線踏破の旅、2日目は道南ほぼ一周である。新たな乗車区間は苫小牧~札幌~長万部。一筆書き乗車ができないので、長万部から札幌までは2回の乗車となる。コースは単純だ。苫小牧、札幌、小樽、長万部、室蘭をつなぐ大きな輪っかを書くだけの「道南ぐるり旅」である。

苫小牧駅に隣接するホテルから、駅に向かう。今日の天候は雨模様。苫小牧は駅ビル付きの橋上駅だがほとんどが休業中。駅前の商業施設ビルも同様で、少々寂しい出発となった。

改札口へのアプローチにあったJRの旅行代理店窓口も閉店となっていた。ここから夜行寝台に乗った人も多かった。寝台列車が姿を消した現在では、必要性が下がってしまったのかもしれない。

それでもホームに入れば、やはり賑わいがある。今日の始発は苫小牧駅8時12分発の「ほしみ」行き。車両は最近の札幌圏の主力となりつつある731系だ。

ロングシートに腰を落ち着けて発車。車窓はしばらくは同じスタイルの建物が並ぶが、あるところで急に原野に変化する。いつ見ても少し不思議な感動をするとても好きな区間だ。高速道路の下をくぐる一瞬だけ目をつぶると、まったく違うところに瞬間移動したような気持になる。

沼ノ端駅、植苗駅と、勇払原野が車窓に広がる。

2016年に信号所に格下げとなった旧美々駅。周辺に住居は少なく、一日の平均利用者は一人であった。ただ千歳空港に発着する飛行機を間近に撮影できるポイントが近いため、航空ファンに人気の駅でもあった。

南千歳で下車し、乗り換えて新千歳空港駅に向かう。新千歳空港駅までの路線は、千歳線の支線として1992(平成4)年に開業した路線だ。ひと駅だけのいわゆる「盲腸線」ではあるが、空港と札幌市内を直接つなぐ路線としてニーズは高い。

札幌からやってきた8時39分発の電車に乗り換える。向かいのホームに入ってきた電車は快速エアポート80号。快速とはいえ目的地の新千歳空港駅はすぐ隣。乗車距離はわずか2,6km。今回の最短乗車区間である。朝の飛行機に向かう人たちを満載して発車。南千歳駅を出ると電車はすぐに飛行場の地下を走るトンネルに入る。

折り返しは9時00分の小樽行き。ここまで乗車してきたエアポート80号の車両が、折り返しでエアポート91号となって小樽に向かう。混雑する札幌で降りなくて済むのはありがたい。

エアポートは快速列車なので、乗車するだけなら特別料金は不要。でも4号車には転換式クロスシートが備えつけられた「Uシート」が連結されている。ここは全席指定で間違いなく座れる優れものだ。今回のコースの中で数少ない「豪華シート」である。

ビジネス客が少ない日曜日ということもあり、指定券は発車ギリギリでも取ることができた。でも空港から札幌に向かう人の数はそれなりにいるから、普通席の方は満席だ。この先の長丁場を考えると、指定席ですわって行けるのはとても助かる。これだけニーズがあるのだからもう少し編成を長くしてほしいところ。しかし新千歳空港駅のホームは地下にあるだけに拡張工事がしにくいのかもしれない。

そう思っていたら、後日見た新聞記事に、札幌駅方面からよりダイレクトに千歳空港につなげる計画がある、と発表されていた。東京方面からのアクセスでは北海道新幹線のライバルとなる路線だが、道内エリアで考えればかなり便利な改良となるかもしれない。

快速エアポート91号は文字通りの快い速度で、札幌駅を目指す。札幌までは快速エアポートとして運転されるが、札幌~小樽は普通列車として運行される。そのためUシートも特別料金不要の自由席になる。勝手知ったるお客さんには人気の車両らしくたくさんの乗客が入ってきた。このタイミングでトイレに立つと座席が埋まってしまうことにも。

そして小樽駅に到着した。

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