過去1年間の『サライ』の記事や広告の中から、サライ世代に優しい商品やサービスなどを選定し、表彰する「サライ大賞」。今年も大賞と各部門の賞が決定しました。

この1年間『サライ』に掲載された商品やサービスなどから選定される「サライ大賞」。今年も読者投票と審査員による選考により、大賞ほか各賞が決定した。審査員は写真家の田沼武能さん、セイコーエプソン社外取締役の松永真理さん、インテリアデザイナーの橋本夕紀夫さんにお願いした。

大賞と各部門の選考を終え、記念のカメラに収まる審査員のみなさん。「あったらいいな」の視点から、議論を戦わせた。

●審査員

田沼武能さん。昭和4年、東京生まれ。写真家。木村伊兵衛に師事。東京工芸大学芸術学部名誉教授。令和元年、文化勲章を受賞した。
松永真理さん。昭和29年、長崎県生まれ。編集者、セイコーエプソン社外取締役。「iモード」の企画開発を担当。著書『シゴトのココロ』。
橋本夕紀夫さん。昭和37年、愛知県生まれ。インテリアデザイナー。昭和女子大学非常勤講師。JCD優秀賞受賞。著書『LEDと曲げわっぱ』。

読者が選んだ 「サライ世代に優しい商品・サービス」 発表

大賞:パナソニック『街のでんきやさん』

“街のでんきやさん”ことパナソニックの店、京王電業社(東京・渋谷区)の福田順亮さん。

大賞はパナソニック系の電器店『街のでんきやさん』に決定。全国の街のでんきやさんでは、電気製品販売のほか、電球や蛍光灯の交換、エアコンの掃除など、地元店ならではサービスを得意とする。

たとえば写真上の「京王電業社」では、水回りを含む住宅リフォームも手がけ、家族構成などを考慮し、各家庭に合った製品を選ぶ際の相談にものってくれる。

「自分が動けなくなると電球を交換したりするのは大変。電話一本で来てくれるのは助かりますね。こういった取り組みはぜひ広がってほしい。地域に根付いた電器店が増えるといいですね」(田沼さん)
「まさに地元ならではのサービスが有り難いですね」(松永さん)
「ネットなどを介さない人と人とのつながりが今後ますます大事になってくると思います。こういう取り組みが広がっていくのはすごくいいですね」(橋本さん)

高所で難しい蛍光灯の交換作業も頼める。
パナソニックの店として全国各地に展開。公式HPから近くの店を検索・利用できる。(※街のでんきやさんHP https://ps-hp.jpn.panasonic.com 店舗によってサービス内容は異なります)

年齢に優しい部門賞:バルミューダ『バルミューダ ザ・ライト』

色を正確に見せる演色性に優れ、影ができにくい光源を備えたデスク用ライト。机の端に置いても光が斜めに伸び、手元を照らす。
どっしりした台座部分にはペン挿しが備えられ、内部にもライトが仕掛けられている。調光は6段階。光源寿命は約4万時間。消費電力14W(全灯時)。
幅191×奥行き264×高さ463mm、約3.2kg、3万7000円。
問い合わせ:バルミューダ 電話:0120・686・717(通話無料)

年齢に優しい部門賞は、目線の先に影を作らず、正確な色が認識できるデスクライト『バルミューダ ザ・ライト』に決定した。選考会では、部屋を暗くし、太陽光LEDの鮮明さや、手元の影のできにくさを実感。操作音の心地よさやペン立てにもなる台座など、シンプルながら高い機能性を備えている点が受賞につながった。

「最近の商品はシンプルな傾向にあるので、ペンを挿せたり、つまみをひねると操作音が鳴ったりとサービス旺盛なものは実は少ない。非常にユニークですね」(橋本さん)
「シンプルに見えて色々な機能が付いていて良いですね。ペンを挿せるのは嬉しいです」(松永さん)
「目が疲れにくいですね。とても使いやすいです」(田沼さん)

「不眠症の原因になるといわれているブルーライト(青い光)を減らした優しい光はとても魅力的ですね」(松永さん)

年齢に優しい部門賞:ファーバーカステル伯爵コレクション『パーフェクトペンシル』

「書く」「消す」「芯を削る」という鉛筆に求められる3つの機能が一本になった、究極の鉛筆。書き心地はきわめて軽やかで、力をかけずにいつでもどこでも書ける。キャップを兼ねたエクステンダー(補助軸)はプラチナ(白金)コーティング仕様。ブラウン(写真)など全14色。3万円、太軸のマグナムサイズは4万5000円。
問い合わせ:ファーバーカステル東京ミッドタウン 電話:03・5413・0300

年齢に優しい部門としてもう一品、ファーバーカステルの伯爵コレクション『パーフェクトペンシル』が受賞した。熟練の技を持つ職人が一本一本手づくりで製作する、世界でも稀有な鉛筆だ。材質を追求した消しゴム付きの鉛筆に、キャップを兼ねたエクステンダー(補助軸)と鉛筆削りが付き、3つが完全に一体化している。

「握り心地がいい。ギフトボックスも高級感があって素敵ですね。還暦や古稀の祝いにプレゼントしたら喜ばれそうです」(松永さん)
「キャップにクリップが付いていて、ポケットに挿して持ち歩けるのはいいですね」(橋本さん)
「鉛筆でありながら高級感があり、メモしたり俳句を書いたりと、思いついたらすぐに書けるのがいい」(田沼さん)

「キャップがあるとポケットに入れた時も服を汚さずに携帯できていい」(田沼さん)

サービス・企画部門賞:ダスキン『メリーメイド』

全国47都道府県に店舗があり、自宅の近隣の店舗から家事のプロがやってくる。2時間から3時間、家事を代行する。週に1~2回程度の依頼が多い。
食器の片付け、掃除、洗濯、窓拭き、衣類の整理、本の片付け、不要品の選別など仕事は多岐にわたる。
要望により、買い物、調理の下ごしらえ、庭仕事なども受ける。
電話:0120・100100

サービス・企画部門賞に決定したのは、ダスキンの家事代行サービス『メリーメイド』だ。定期的に訪問し、掃除、洗濯、炊事などを代行してくれる。部屋の隅々まできれいにする「お掃除おまかせサービス」や、時間単位で家事を行なう「家事お手伝いサービス」、必要品・不要品を選別・収納する「おかたづけサービス」がある。
体力的に家事が負担だと感じている人や、自由な時間を作って新しいことを始めたい人など、ひとりひとりの要望に合わせて、サービスを提案してくれる。

「家事って頭を使うんですよね。なかなか捨てられない調理器具の整理を手伝ってほしい」(松永さん)
「ものを片付けるのは体力がいるからぜひ利用したい」(田沼さん)

「職場の片付けを頼みたい。自分で判断できないので客観的に要、不要の品の選別をしてほしいですね」(橋本さん)

人物部門賞(サライ・シニア・オブ・ザ・イヤー):小堀鷗一郎さん(訪問診療医・82歳)

昭和13年、東京生まれ。国立病院の外科医を定年退職後、埼玉県新座市の堀ノ内病院に勤務し在宅医療に取り組む。祖父は文豪にして陸軍軍医総監をつとめた森鷗外 。母は随筆家の小堀杏奴。東京大学医学部医学科卒業。東大附属病院第一外科、国立国際医療研究センターで、外科医として約40年間活躍。著書『死を生きた人びと』で、第67回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。

人物部門賞は、国立病院を定年退職後、在宅医療に携わってきた小堀鷗一郎さんが選ばれた。

国立国際医療研究センターでの最後の数年は院長を務め、定年後に堀ノ内病院(埼玉県新座市)に移った。その2年後、たまたま退職する同僚から頼まれて訪問診療を引き継いだのが始まり。以来、医師が患者宅を訪問して成り立つ在宅医療に携わって15年目を迎える。

「国立病院の院長を務めた医師が定年退職後に訪問診療をやっているのは凄い事だと思う」(田沼さん)
「患者さんひとりひとりに寄り添う小堀さんのあったかさが伝わってきますね」(松永さん)
「退職後も社会に貢献しているのは素晴らしいことだと思います」(橋本さん)

訪問診療では様々な話をしながら診察。
「薬の飲み忘れがないよう気をつけてもらっています」(小堀さん)

(小堀鷗一郎さんの【サライ・インタビュー】はこちら

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※この記事は『サライ』2020年12月号より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです。(取材・文/善村苑香 撮影/末安善之、多賀谷敏雄、植野製作所、齋藤亮一)

【サライ大賞2017~19はこちら】
サライ大賞2017:https://serai.jp/news/134719
サライ大賞2018:https://serai.jp/news/magazine-news/341977 
サライ大賞2019:https://serai.jp/news/382650

 

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