今年1年間、『サライ』の本誌および公式サイト『サライ.jp』で紹介された商品や人物などから、サライ世代に最も意義のある製品やサービス、人を選定する「サライ大賞」。読者による投票と3名の審査員による選考が行なわれ、大賞と各部門賞が決定した。
審査員は写真家の田沼武能さん、テルモ社外取締役の松永真理さん、デザイナーの橋本夕紀夫さんにお願いした。
「第16回 サライ大賞」大賞と各部門賞に選ばれたのは以下の商品・サービス、人物です。
【大賞】
エース 充電できるトロリーケース
『プロテカ マックスパス スマート』
【年齢に優しい部門賞】
オンキヨー&パイオニア 小型軽量な集音器
『フェミミ』
【サービス・企画部門賞】
日本橋三越本店
『日本伝統工芸展』
【人物部門賞(サライ・シニア・オブ・ザ・イヤー)】
桑田ミサオさん
(笹餅製造者・91歳)
【大賞】
エース
『プロテカ マックスパス スマート』
6万6000円
審査員による白熱した議論の結果、大賞はエース『プロテカ マックスパス スマート』に決定した。本製品は、スマートフォンなどデジタル機器を使うことを想定し、充電用のバッテリーを内蔵する機内持ち込み可能なトロリーケースである。しかも追跡機能を備え、スマートフォンと連携させれば、一定距離(約30m)離れると双方から通知音が鳴り響く。
また、素材成形から組み立てまで、すべて日本で行なわれているという点も、大賞に相応しいという評価だった。
「ペンや小物、ノートパソコンなどを入れるポケットを備えている点が高評価。しかも、すぐに取り出せるのがいい」(田沼さん)
「引いて歩く際の安定性がよく、キャスター(車輪)の動きも滑らかで音も静か。内装の明るい生地色も好印象です」(松永さん)
「デザイン性と機能性のバランスがみごと。使い勝手がよく完成度の高い製品です」(橋本さん)
※『プロテカ マックスパス スマート』についてのお問い合わせ先/エース 電話:03・5843・0606
【年齢・体に優しい部門賞】
オンキヨー&パイオニア
集音器『フェミミ』
3万2184円(税込み)
年齢に優しい部門賞にはオンキヨー&パイオニアの『フェミミ』が選ばれた。音響メーカーが長年培った技術を活かした商品だ。
左右のイヤホンに搭載されたマイクの集音能力をあげつつ、周囲の雑音だけを制御し、聞きたい人の声が明瞭に耳に届く。電源を入れ、音量を調節するだけの簡単操作も審査員に高評価だった。
「人の声だけが聞こえやすくなるのが秀逸。聞こえ方が自然で、読みやすい日本語表示であることも評価できます」(田沼さん)
「小型なのに操作がしやすく、装着感も良好。両耳に装着するという安心感もあります」(松永さん)
「傍目からは音楽プレーヤーを使用しているように見えるのがいいですね」(橋本さん)
※『フェミミ』についてのお問い合わせ先/オンキヨー&パイオニア 電話:050・3388・6818
集音器『フェミミ』は下記「大人の逸品」でも販売しています。
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【サービス・企画部門賞】
日本橋三越本店
「日本伝統工芸展」
サービス・企画部門賞は、日本の伝統工芸技術を用いた作品が多数出品される「日本伝統工芸展」を、毎年開催し続けてきた日本橋三越本店に贈られる。
同展は今年で65回を数え、伝統工芸の技術の向上や発展を支えてきた功績は計り知れない。また、誰にも馴な染じみのある百貨店を会場にしていること。そして作品を間近に鑑賞できるだけでなく、作家と交流したりすることができる点なども高く評価された。
「作家と接するチャンスがあるのは素晴らしい」(田沼さん)
「作品を身近に感じられるのは百貨店ならではの魅力」(松永さん)
「美術作品を介して人と人とが?つながる。そこに同展が果たす重要な役割を感じました」(橋本さん)
【人物部門賞】
桑田ミサオさん
(笹餅製造者・91歳)
人物部門賞は、青森・津軽で笹餅製造業を営む桑田ミサオさんに決定した。とりわけ審査員が感銘を受けたのは、75歳にして笹餅製造の会社を起業したことだ。
桑田さんが週に2回、ひとりで600個手づくりする無添加の笹餅は非常に手間暇がかかっている。小豆の餡を炊き、もち米を挽いて、餅を包む笹の葉も近所に採りにいく。優しく心和むその味は新聞やテレビなどで紹介され、平成23年に農林水産大臣賞を受賞した。
「何より笹餅をつくることに楽しみを感じていらっしゃる。頑張り過ぎず、自分の体調を見ながらたんたんと仕事をされている姿が素晴らしい」(田沼さん)
「75歳での起業に驚かされます。しかも、それまでの仕事とまったく異なる、ステージを変えての挑戦です。人生100年時代のモデルとなる生き方で、私の人生のお手本にしたい」(松永さん)
「定年を気にしたり、会社にしがみついたりするのではなく、自分で新たな生き方を見つけられています。〝周囲の人の喜ぶ顔が見たいと思って始めた”という言葉に感動しました」(橋本さん)
以上、「第16回 サライ大賞」の大賞と部門賞の発表でした。『サライ』は、シニア世代に優しい商品やサービスをこれからも応援していきます。次回の受賞もお楽しみに!
※この記事はサライ本誌2018年12月号より転載しました(取材・文/中澤雄二、撮影/末安善之)。