まひろとあかねの『枕草子』談義
I:まひろとあかね(演・泉里香)が公任の屋敷の和歌の勉強会の後で、語り合います。あかねは「黒髪の乱れも知らずうち臥せば まづ搔きやりし人ぞ恋しき」という有名な歌を詠みます。「長い黒髪が乱れることもかまわず横たわっていると、この髪をかきわけてくれた人のことを思い出す」といういささか煽情的な和歌です。私は、高校生の時にこの歌に触れて、衝撃を覚えた記憶があります。
A:ほう。
I:なんと自由に大人の恋を表現した歌だろうと。あれから20数年、今改めてこの和歌に触れると、こんな大人になりたかったかもとちょっと切ないですね。
A:そうですか。私は、まひろとあかねのやり取りで、「あかねさまがお持ちの『枕草子』をお借りできないでしょうか」という場面にくすっとしました。清少納言はまひろのもとに原稿を持ってきていたのに。
I:その時は、写すほどの作品ではないと思ったのですかね(笑)?
【道長がまひろに持ってきた「越前和紙」。次ページに続きます】