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7月に入り、二十四節気では「小暑」を過ぎた頃です。まだジメジメとした天気が続いていますが、そろそろ梅雨明けから本格的な夏が到来する時期です。
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

蒸し暑い季節に伴い冷たい飲み物の摂取も多くなり、尿に関するお悩みをお持ちの人もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、尿の回数が多い「頻尿」についての養生法や漢方薬を、慶應義塾大学の渡辺賢治先生にお話を伺いました。

尿の回数が多くなる原因としては、何が考えられるのでしょうか?

「まず、尿が近い、尿の回数が異常に多いという症状を頻尿と言います。目安としては、1日の排尿回数が8回以上のことを言います。

しかし、1日の排尿回数は人によって様々なので、「おしっこが近い」と感じる場合は、頻尿ととらえることができます。

原因としては、男性に多い疾患では、前立腺肥大症によって頻尿が起こります。これは、前立腺が肥大することにより尿道の通過が部分的に妨げられると、尿の勢いが弱くなり、膀胱を完全に空にすることができなくなる結果、頻尿へとつながることがあります。

また、日中のみの頻尿で夜間の頻尿を伴わない場合は、病気が原因ではなく、緊張や不安などによる心理的原因によるものが多いとされています。
病気が原因である場合は治療が必要なので、原因が不明であったり、症状が続く場合は病院を受診することが大切です。

予防するために心掛けられることはありますか?

「頻尿予防に共通して言えることは、水分の摂り過ぎや利尿作用のある飲み物(カフェインを含むものやアルコール)を摂り過ぎないように心掛けることです。
また、男性は自覚なしで冷えていることもあり、冷えが原因によっても尿が近くなります。冷たいものの摂取はできるだけ控えるようにすることも大切です

どんな漢方薬が考えられるのでしょうか?

「タイプによって考えられますが、「不意に強烈な尿意に襲われる」、「緊張すると尿意を感じる」といった、日中のみの頻尿は不安や緊張などの心理的な原因が多いので、このような場合には、気持ちを落ち着かせる働きがある、抑肝散(よくかんさん)や抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などが用いられます。抑肝散加陳皮半夏は、胃腸が弱い人におすすめです。

他にも、夜間に何度も起きてしまうような場合は八味地黄丸(はちみじおうがん)や、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)などが用いられます。これらの漢方薬には、体を温め冷えを取る効果もあります。

残尿感があるために何度もトイレに行きたくなるような場合には、五淋散(ごりんさん)、龍胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)などが用いられます。五淋散は膀胱炎によく用いられる漢方薬でもあり、炎症を抑え、排尿を促す効果があります。

これらの漢方薬はどこで手に入れれば良いのでしょうか?

「基本的には漢方医を受診したうえで、体質や症状に合ったものを処方してもらうのが良いでしょう。試してみたいのであれば、五淋散などは、ドラックストアなどでも手に入りやすいですが、一見漢方薬だとはわからないような商品名がついているものもあるので薬剤師に相談したうえでお求め下さい。

文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。

取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。

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