しかし、意外にも葛根湯は色々な症状に対応する漢方薬ということはご存知でしたでしょうか? 慶應義塾大学の渡辺賢治先生にお聞きしました。

「葛根湯は様々な症状に使用される漢方薬です。漢方薬は体質も考慮した上で選ばれるのですが、比較的体力のある人に対する、風邪、頭痛、鼻風邪、結膜炎や乳腺炎などの炎症性疾患、肩こり、上半身の神経痛、筋肉痛、じんましんなどに用いられます。
そのため、先の話に出てきた医者も、付き添いの人への処方を除けば、葛根湯で治る症状に対して、葛根湯を出していたとも言えます」

もしかすると一概に藪医者と言えないのかもしれませんね。
漢方薬はこの葛根湯と同じように色々な症状に効くようなイメージがありますが、実際のところどうなのでしょうか?

「漢方薬は、同じような体質の人であれば、異なった病気を持つ二人に同じ漢方薬が処方されることもあります。この考え方を『異病同治(いびょうどうち)』と言います。
漢方医学では、西洋医学的診断とは異なる診断体系である『証(しょう)』によって治療の判断をしていくため、西洋医学では異なる病名を付けられる『病』であっても、漢方的には同じ診断であれば、治療法も同じとされます」

葛根湯以外ではどんな例がありますか?

「葛根湯以外で例を挙げると、五苓散(ごれいさん)という漢方薬は、頭痛・めまい・立ちくらみ・むくみ・嘔気・下痢・車酔い・熱中症・二日酔いなどに使われます。一見脈絡もないような病名が並んでいるように思われるでしょうが、これらのさまざまな症状は、漢方的見方からすると、すべて『水毒(すいどく)』という証によるものです。
西洋医学的病名を後から当てはめたために、一見ばらばらのように見えるのです」

実は昔の日本では身近な存在であった漢方医。次回は現在の漢方医像についてご紹介させていただく予定です。

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↑写真は葛根湯に含まれる「葛」。

文/葉山茂一(はやま・しげかず)
漢方デスク株式会社代表取締役。漢方・薬膳の総合ポータルサイト「漢方デスク(http://www.kampodesk.com)」を企画・運営。

取材協力/渡辺賢治(わたなべ・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授医学部兼担教授。漢方デスクの漢方医学監修を務める。

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