予約の取りにくい人気のフランス料理店の1軒が麻布台にあります。それが『SUGALABO』(スガラボ)です。
六本木ヒルズの『ラトリエ・ドゥ・ジョエルロブション』の初代料理長だった須賀洋介シェフが、昨年独立して開いたレストランです。
レストランの店内は、客席と厨房が一体となっていて、まさに“ラボ”(研究所)の雰囲気が漂っています。
料理は須賀シェフが日本全国を廻って集めた食材が、巧みに組み合わされて出てきます。この夏の逸品は「大原鮑 宝韶寺レモン」と題したひと皿。
数時間ゆっくりと火を入れた千葉県外房大原の鮑に柔らかな皮を繊切りにした広島のレモンをたっぷり添えてあり、爽やかな酸味と海の滋味を湛えた鮑が素敵なハーモニーを奏でます。
料理の最後には小皿のカレーライスが注文できるのですが、8月末に出かけると、ビーフストロガノフが用意されていました。言ってみれば、贅沢なハヤシライス。
須賀シェフの祖父が外国へ出る船の料理長だったそうで、今でもその祖父の料理を思い出せるそうです。
その記憶の中からよみがえらせたひと皿が「ビーフ・ストロガノフ」というわけです。
【SUGALABO】
住所/東京都港区麻布台1-11-10 日総ビル1F
TEL/非公開(完全予約制)
営業時間/非公開
定休日/非公開
http://sugalabo.com/
文/山本益博
料理評論家・落語評論家。1948年、東京生まれ。大学の卒論「桂文楽の世界」がそのまま出版され、評論家としての仕事をスタート。TV「花王名人劇場」(関西テレビ系列)のプロデューサーを務めた後、料理中心の評論活動に入る。
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