銀座の鮨の名店『青空(はるたか)』が7月に移転しました。と言っても、同じ銀座8丁目。カウンター席が長くなり、3席ほど席が増えました。
『青空』の主人、高橋青空さんは、北海道出身。札幌の鮨屋で修業を重ねていましたが、本物の「江戸前」を知りたくて上京し、銀座の『すきやばし次郎』へ入り、一から勉強し直しました。
そして、13年間の修業の後、独立して、銀座に小さな店を構えたのです。店はビルの3階で、路面店ではなかったのですが、「味で勝負」の実力がものを言い、あっという間に人気店になりました。
次第に店が手狭になったところで、店を移したというわけです。
先日、新店に伺って、つまみを少々いただいたあと、握りを十数貫食べました。とりわけ美味しかったのが、「あわび」「あじ」「かつお」「あなご」といった、夏が旬の魚介の握りでした。
酒のつまみも工夫がなされていますが、やはり真骨頂は「次郎」仕込みの握りです。握りの形は「地紙(扇の紙)」。握りを横から見ると流線型で美しい。酢めしも酢と塩が効いて、メリハリのある味わいでした。
【青空(はるたか)】
住所/東京都中央区銀座8-3-1 銀座時傳ビル6F
TEL/03-3573-1144
営業時間/月~土:17:00~24:00
定休日/日・祝日
文/山本益博
料理評論家・落語評論家。1948年、東京生まれ。大学の卒論「桂文楽の世界」がそのまま出版され、評論家としての仕事をスタート。TV「花王名人劇場」(関西テレビ系列)のプロデューサーを務めた後、料理中心の評論活動に入る。
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