夕張線、宗谷本線など北海道の路線を全線走破するマイケルさん。もちろん日本全国の鉄道を乗り歩く予定である。今回は北海道がメインということだったが、地図は各地で押したスタンプがいっぱいだった。

当別駅で賑やかに階段を下りてきた女性三人組も車内にいた。お菓子と飲み物の用意して準備万端。「この線に乗るのは、学生時代以来だから50年ぶり」という。「何時なくなるかわからないから、乗れるうちにちゃんと乗っておこう」と、友達を誘い合わせての乗車。札沼線は今や注目の路線になりつつある。

非電化区間唯一の交換駅、石狩月形駅に到着。ここで反対列車の待ち合わせ。マイケルさんもカメラを持って列車を待つ。

開拓時代この街に樺戸集治監(刑務所)がおかれ、北海道開拓の労働力に充てられたところである。集治監そのものは札沼線開業前に廃止となっているが,町の名前は初代典獄の月形潔から取ったものだ。

「あの博物館は絶対に行った方がいいよ」「あれはすごいねぇ」と教えてくれるのは先ほどの3人ぐみ。展示施設は明治初期に作られた集治監の本庁舎を使ったもの。館内には当時の様子や伝説の脱獄囚「五寸釘の寅吉」などの資料があるから「絶対見たほうがいいわよ」と言われるけど、ごめん、今日はちょっと乗りつぶしに忙しいのだ。

木の電柱に、木の行き先札。駅名標も木だったらいっそう雰囲気が出たかもしれないが、これだけでも風情は十分。

石狩月形駅は列車の運行管理を担う駅員さんがいる。ちょっと前の言葉で言えば「ぽっぽや」か。列車の運行管理は昨今の電子化されたものではなく、スタフという通票(通行手形)を使う昔ながらの方法で行っている。

石狩月形で上り列車と交換。左は上りの石狩月形行き。ここでスタフの交換をするのだ。

2台並んだディーゼルカーと、木のホーム。この駅を今日の絶景候補にする。

上下線の列車に挟まれたホームでは、駅員さんが安全の確認や発車の合図をする。無人駅がほとんどになった今では稀少な光景だ。


車内に戻ってもマイケルさんの興味は尽きない。この畑は何を育ててるの?あの花は?できる限り答えて行くのだけど、こちらの英語力が追い付かない。「麦」って、なんだっけ?

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