子どもが生まれた後も生活のペースを変えない夫
その後、芽依さんは無事出産。子どもができたことで夫婦の生活は一転します。そしてこの頃から子どもを理由に夫婦の距離が少しずつ開いていったと振り返ります。
「結婚後もそこまでベタベタした関係ではなく、お互いに1人になれる時間を作るなどしていたんですが、子どもができるとそうもいかないですよね。それなのに、夫は今までと同じようにひとりでご飯を食べに行ったり、夫の実家で過ごしたり。一緒にいる時はお風呂に入れてくれたり、食器を洗ってくれたりはするんですが。それに、授乳があるから仕方ないにしても、夜泣きに対してすごく迷惑な顔をされて、部屋を出ていくんです。しばらくすると夫は寝室とは違う部屋で寝るようになりました」
今は完全に別々に眠るようになり、そして現在のコロナ禍でリモートワークも選択できる中、毎日出社を続けているそう。
「夫からはリモートワークはできないと言われているんですが、私が元働いていた会社なので知り合いに聞くと、出勤は必須ではなく、今は対面営業の訪問は禁止されているとのこと。電話やメールなどに限定されているのに、夫は出社を続けて、時短業務もなく遅くに帰ってきています。
今は自分が親にうつしてしまうリスクもあるので、実家に帰ることはなくなったのですが、その分の時間を費やすために、わざわざ会社に行かれている気分です」
そして、義母からの執拗な電話にも目に余るものがあるのだとか。
「息子と会えなくなった分を埋めるかのように、夫に毎日0時過ぎに電話がかかってくるようになりました。その電話の音で、子どもが起きてしまうんですよ……。さらにまったく理解できないのですが、義母は私たちの子どもにあまり興味がないようなのです。私のことは興味ないにしても、孫なのに……」
最後に、芽依さんがしていた歩み寄る努力を、旦那さまに頼むことをなぜしないのか、聞いてみました。
「強制的な歩み寄りって、なんか違う気がしてしまって。一緒にいる時に頼ることはできるし、夫も頼んだことはやってくれています。でも、一緒にいてくださいと頼むのは何か違う気がするんです。私も心からそう思っているのかと言われれば、違う気がしています。両親でも無理だったのに、元他人との距離なんて測れるわけなかっただけなのかもしれません」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。