両親のため、自分のために一軒家を購入。笑顔で生活する両親にやっと親孝行ができた
短大時代に遊び続けたことで就職活動をおざなりにしてしまい、1つ目の就職先を半年で退職。父親は就職先について内情を調べ上げており、半年での退職したことにも何も口を出さなかったとか。
「ろくに就職活動もせずに、引っかかった会社に飛びついてしまって。私は求人票をチラッと見たくらいだったのに、父親は私の就職先の資本金や従業員数などを調べ上げて、いい会社じゃないと忠告してくれました。そして、父の言う通り、営業職はノルマがきつくて半年で体調を崩してしまいました。
幸いにも次の仕事はすぐに見つかり、前の父の教えの通り、求人の段階でその会社の内情を自分で調べ上げ、就職が決まった時には両親にその内情が記載されたプリントを一緒に提出しました。ちゃんと調べてから入社したので、2社目は3年間ちゃんと働くことができました」
2社目を3年で辞めた理由は語学留学。24歳の時に自身が3年間で貯めたお金でアメリカに行きますが、ここでも真希さんは両親への感謝を口にします。
「留学を反対されなかったこともそうですが、私が3年間働いた分で好きなことができるのは両親のおかげです。私はずっと実家で、もちろん家にお金を入れていましたが、一人暮らしするよりはずっと安い。自然とお金が貯まっていく環境を作ってくれていたのだと思います」
1年間の留学を経て、現在も働く英語を使った仕事に再就職します。真希さんは留学以外で実家を離れたことがないそう。その居心地のいい実家をもっといいものにしたい思いから、ある行動を起こします。
「実は実家はずっとマンションで賃貸だったんです。父親の地元である福島に土地があったので、両親は老後に福島に移り住む予定だったんです。でも、その予定はずっと先で、今からちょうど3年前くらいに、家族で住むために一軒家を購入しました。頭金を両親に少し出してもらって、ローンは私が今も払い続けています。後々に手放すことになるかもしれないけど、今両親と楽しく一緒にいたいから。そんな思いがあり、購入しました」
真希さんは一軒家を購入してから嬉しいことがあったそう。
「母親はガーデニングが趣味なんですが、以前は小さいベランダでいつも花たちの世話をしていて。今は庭いっぱいに母の好きな花が咲いています。最近近所に仲の良い人ができたみたいで、『今度お花をプレゼントする』と喜んでいました。その笑顔を見て、大きな決断だったけどしてよかったなって今も心から思います」と笑顔で語ります。
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。