「細かいフケは普通のフケで、おそらくその猫ちゃんがあまり毛繕いが得意ではないため出てしまうのだと思います。
人間でも“烏の行水”のような入浴時間の短い人がいますが、猫も丹念に身体を舐める猫と、ささっと済ませる猫がいます。ささっと派の猫はどうしてもフケが残りやすくなってしまうので、気になるのであれば飼い主さんが濡れタオルで拭いたりブラッシングしたりしてフォローしてあげましょう。
洗うと油分が取れて乾燥肌になり、余計にフケが出やすくなります。大きな塊のフケは皮膚病の可能性がありますので、病院に行った方がいいですね」
■特殊な事情であればむしろ病院へ
では、どうして高野さんのクリニックでは猫のシャンプーも受け付けているのでしょうか。
「真菌など、皮膚に疾患のある猫の場合、塗り薬と内服薬で直しますが、ひどい状態でしたら体中の毛を刈って、薬浴させる必要もあります。副作用が出る内服薬は長期間飲ませ続けるわけにはいきませんので、治療期間を短縮するためにシャンプーをします」
真菌以外でシャンプーを使う場合は、工業油などで汚れてしまった場合くらい。そうした特殊な事情でもない限り、猫は基本的に洗わなくていいのだそうです。
猫のお風呂に関する高野さんのアドバイスをまとめると、このようになります。
(1)何もしない
(2)濡れタオルで拭く
(3)濡れタオルではすまない汚れは、お湯で気になる箇所だけすすぐ
(4)真菌による皮膚病を患ったり工業油などがついてしまい、どうしても全身を洗う必要がある場合は動物用無香料シャンプーを使う
ただ(4)のような特殊な事情がある場合は、自分で解決しようとせず、動物病院にまず相談して欲しいとのこと。
年をとって自分ではきちんとグルーミングができなくなってしまった猫は、濡れタオルでお手伝いをしてあげたり、病院でお尻周りなど汚れた場所の毛をトリミングしてもらうのがいいそうです。
大切な愛猫だからこそ、余計なストレスを与えず、一緒に気持ちよく過ごせるよう適切な方法でサポートできればいいですね。
【猫の病院 マオキャットクリニック】
住所:埼玉県春日部市浜川戸2-13-22
電話:048-763-5628
受付時間:9時30分~11時45分、16時~18時45分(日曜日は午前中のみ)
休診日:水曜、祝祭日
アクセス:東武野田線八木崎駅より徒歩約5分
文/一乗谷かおり
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