文・写真/音生ざくろ
イギリス、ロンドンからバスで北へ約2時間ほどのところにある丘陵地帯コッツウォルズ。ここを訪れる観光客は、誰もがおとぎ話の世界に入り込んだような気持ちになる。
コッツウォルズには10以上の村や集落があるが、今回はその中から、イギリスの詩人ウィリアム・モリスが「イングランドで最も美しい村」と評したバイブリーについて紹介したい。
バイブリーは、映画などのロケでも使われることのある村で、日本人にとっても有名な場所である。特徴と言えばはちみつ色の石を使って作られた建物群。コッツウォルズの中でも全体的に明るめの印象を与える村だ。
アーリントン・ミルという水車小屋の隣には、小さなカフェと併設されたお土産屋があり、コッツウォルズで取れたはちみつや、そのシーズンでしか作られない季節限定の紅茶が売られている。魚が売られているゾーンでは、この土地でとれるマスも手に入る。
バイブリーの村には、コルン川というテムズ川の支流が流れており、そこに白鳥と黒鳥がやってくる。白鳥の雛のかわいい姿に、ずっとカメラを構える人も少なくない。
バイブリーで最も有名な見どころは、アーリントン・ロウと呼ばれる14世紀に作られた建物である。日本でいう長屋のようなもの。
14世紀頃からある古い建物は、多くの人々を魅了してやまない。現在建物の大部分は、定年退職した人々が買って住んでいるという。リタイア後に、こういう静かな場所でゆっくり暮らせるのは、実に優雅でうらやましい。
美しい田園風景の中、古い石造りの伝統的な建物をいまも見られるバイブリー。イギリスに旅行にいく際は、ロンドンなどの都市だけでなく、昔ながらの美しい景観を今も保ち続けるコッツウォルズ地帯を訪れてみてはどうだろうか。
文・写真/音生ざくろ