今の夫には感謝しかない分、遠慮して頼れない。私だけでなく息子もそうなのかもしれない
今の旦那さまと連絡を取り合うようになったのもあくまで友人として。他の友人も含めて会うようになり、4年ほどの友人期間の間に子どもが懐いていったそう。
「大学の友人の中には私と同じようにバツイチの子がもう1人いて、独身の子も交じってバーベキューとか、子どもも含めてできる遊びをするようになりました。そこで子どもが彼に懐いたんです。たくさん大人たちがいる中で、彼の側で過ごすことが多くて。そこから交際するまで1年くらいありました。彼は交際を始めた時もちゃんと私の両親のところに挨拶に来てくれて。真摯な態度に私も再婚を意識していきました」
そして36歳の時に2人は再婚。当時子どもは8歳で父親ができたことを喜んでくれたと言います。
「夫は都内に勤めているのに、息子に転校させないほうがいいと、実家と近いところに新居を構えてくれました。子どもも最初こそ夫と一緒に暮らすことに照れて、あまり近寄ってこないところがあったんですが、それも最初のほうだけですぐに一緒の生活に慣れてくれたようでした。
夫婦生活も付き合っていた頃と同じように、子どもの母親ではなく妻として接してくれていました。実は今の夫との間に2度ほど妊娠したのですが、どちらも流産してしまって、そこから3人で暮らしていくことを決めた過去があります。その時も今の夫は『自分の子はもういるから』と言ってくれて。今の夫には何度も気持ちを救われました」
しかし、旦那さまが歩み寄ってくれる気持ち以上に頼ることができないと夕子さんは言います。
「子どもが思春期を迎えて、父子の距離が見えるようになってしまって。私とも息子はベタベタした関係ではないので、思い過ごしかもしれませんが、反抗期も息子はまだありません。今後、男の子は母親に相談できないことを父親に相談したりするのに、それが遠慮からできないんじゃないのかなって心配で。私がなんとかしなければと思っているのですが、どうしていいのかわからないのです。今の生活を与えてくれた夫に、子連れ婚じゃなければなかった負担をかけたくないという思いが強くて……」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。