眼瞼下垂(がんけいかすい)とは、目を開けた時に上まぶたが黒目にかぶってしまう状態のことで、先天性と加齢などが原因の後天性がある。眼瞼下垂になると、視野が狭くなるといった機能的な障害をもらたすことから、手術等の治療が必要となる。ところが実際は、疾患の自覚がないまま生活していたり、症状に気が付いていても放置している人が多いという。そんな眼瞼下垂について、形成外科クリニック「アイシークリニック」を運営する医療法人社団鉄結会が、全国1500人の30歳以上の男女を対象に実態調査を行なった。すると眼瞼下垂と診断されながら、手術しない人の理由が明らかになった。早速、詳しく調査結果をみていこう。
眼瞼下垂の認知度について
まず「眼瞼下垂」という疾患の認知度について。知っている/聞いたことがあると回答した人は、261人で全体の17.7%にとどまった。これは約6人に1人の割合であり、マスメディア等で取り上げられているとはいえ、認知度はまだまだ低いようだ。
52人が眼瞼下垂と診断された経験あり
次に、前問で「眼瞼下垂」を知っている/聞いたことがあると回答した261人に対し、眼瞼下垂と診断された経験があるか尋ねたところ、52人が「はい」と答えた。
診断はされたが手術は受けていない人が多い
「眼瞼下垂と診断されたことがある」人に対して、手術を受けたことがあるか否かを質問した。すると「はい」(手術したことがある)と答えた人は25%強にとどまり、「診断はされたが手術は受けていない」という人の方が多いことが明らかになった。
手術を拒否した人の8割弱が60代
さらに、眼瞼下垂と診断されながらも手術を受けなかった人の年代を調査したところ、全体の8割弱が60代であることがわかった。一方30〜40代の若年層の発症も判明。これは先にも述べたとおり先天性の可能性に加え、まぶたの擦れ(アトピー、逆さまつげ、花粉症、コンタクトレンズの使用)といった後天的要因も考える。
手術を受けない理由1位は「金銭面」
眼瞼下垂と診断されたにもかかわらず手術を受けなかった38名について、なぜ手術を受けなかったのか理由について聞いている。結果、「手術を受けるのに金銭的な不安がある」と答えた人が20人で半数以上を占めていた。次いで「手術を任せても安心だと思える医師がいない」(8人)「手術をする必要性を感じていない」(6人)となった。この結果から、眼瞼下垂手術を受けない主たる原因として、金銭的な不安を挙げる人が多いことがわかった。
でも本音は手術を受けたい!?
最後に、手術を受けなかった38人に対し、「保険適用かつ信頼できる医師がいれば手術を受けたいですか」と聞いている。すると、全体の75%程度の方が「はい」(手術を受けたい)と回答。手術自体の潜在的なニーズは高く、金銭的不安等が解消されれば、眼瞼下垂の手術を受けたい人は多いようだ。
今回の調査で、費用面を気にして手術を躊躇している方が多いことがわかった。しかし、実は眼瞼下垂は美容形成の自由診療だけでなく、形成外科での保険適用も可能。つまり、保険適用手術が可能なクリニックを見つければ、リーズナブルに手術を受けられるということだ。
眼瞼下垂は放置すると視野が狭くなるだけでなく、肩こりや首こりなどの症状を引き起こす恐れもある。そのため、放置せず早めに手術を受けることが重要! まずは通える範囲に保険適用が可能なクリニックがあるかどうか、探してみてはどうだろうか。
※記事中のデータはすべて、皮膚疾患(粉瘤、脂肪腫など)の日帰り手術「アイシークリニック(https://ic-clinic.com/)協力のもと作成。
文/鳥居優美