文/川口陽海
脊柱管狭窄症や腰椎すべり症、椎間板ヘルニアなどによる坐骨神経痛や腰痛、なかなか治らなくてお悩みではないですか?
■ふくらはぎや太ももの裏が痛い、しびれる。
■歩くと脚が痛い、しびれる。
■脚の痛みやしびれで歩けなくなるが、少し休むとまた歩ける。(間欠性跛行)
そんな症状に悩んでいる方には、今回ご紹介するトレーニングが効くかもしれません。
腰痛トレーニング研究所では、このような症状の場合、足首を強化するトレーニングを指導しています。
足首強化トレーニングが劇的に効いた事例
足首強化トレーニングが劇的に効いた事例を2つご紹介します。
(1)60代女性の坐骨神経痛
Aさん(60代女性)は、数年前から脚の痛みやしびれに悩まされていました。
とくに歩くとふくらはぎに痛みが出てつらい思いをしています。
整形外科では【腰椎すべり症】と診断されています。
薬や湿布を処方されましたがなかなか治らず、腰痛トレーニング研究所を訪ねてこられました。
身体をチェックしていくと、体幹や下半身、とくに足首が弱いことがわかりました。
そこで足首を強化するトレーニングを指導しました。
川口(筆者)「この足首強化トレーニングを、1日10回やってみてください。次回までの宿題です」
Aさん「わかりました」
……2週間後
Aさん「先生!脚の痛みがすごく良くなりました!」
川口「それは良かった!ずいぶん早く効果が出ましたね。毎日頑張ってトレーニングされたんですね」
Aさん「はい、すごくつらかったんですけど、毎日10分トレーニング頑張りました。そうしたら日に日に良くなってきたんですよ」
川口「え? 10分? 10分も続けてたんですか? 私、1日10回って言ったはずなんですが?」
Aさん「え~、10回だったんですか!? 10分だと思ってすごくつらかったんですけど頑張ってやったんですよ~(笑) でもそのおかげでだいぶ良くなりました!」
川口「そうだったんですか~(苦笑)。でも良くなったなら結果オーライですね(笑)」
Aさんは1日10回のところ、聞き間違って10分間トレーニングをされていたのですが、その甲斐あって劇的に痛みが改善しました。
(2)電話相談の男性
ある日お電話で男性から相談がありました。
確か静岡県か愛知県か、そのあたりにお住まいの方で、お名前も名乗られなかったと思います。
仮にBさんとしておきます。
Bさん「整形外科で【脊柱管狭窄症】と診断されていまして、歩くと脚がしびれて歩けなくなるんですが、少し休むとまた歩けるのです。住まいが遠くなのでそちらまで通うことはできないのですが、何か良い方法はありませんか?」
川口「いわゆる【間欠性跛行】の症状ですね。お身体や症状を実際にみないと判断できないのですが、もし良かったら、足首を強化するトレーニングをやってみてください」
Bさん「わかりました。簡単にできそうなのでやってみます」
……数週間後、そんなお電話があったことも忘れていましたが、Bさんからまた電話がありました。
Bさん「先日トレーニングを教えてもらったものなんですが……」
川口「あ~、あの時の! その後いかがですか?」
Bさん「はい、あのトレーニングをやっていたら、本当に痛みが良くなって、長く歩いても平気になったんですよ!それでお礼をしようと思ってお電話しました。本当にありがとうございました」
川口「それは良かったです!ぜひトレーニングは続けるようにしてくださいね」
このように、坐骨神経痛や間欠性跛行の方に足首強化トレーニングを指導すると、劇的に効果が出ることがあります。
もちろんすべての方に効果が出るとは限りませんが、試してみる価値は十分にあると思います。
足首を強化する『踵上げトレーニング』のやり方
イスの背もたれや壁などに手を添えて、身体を軽く支えます。
あまり手や腕に体重をかけ過ぎないようにしてください。
脚を肩幅くらいに開き、下腹部を引っ込めるように力を入れて締めます。
そこからつま先立ちをするように踵を上げる → 1秒止める → 踵をおろす
これを繰り返します。
1セット10~20回程度として、1日2~3セットおこなってください。
ちなみに先ほどご紹介したAさんは、踵を上げた状態で10分間キープしていたそうです。
踵を上げる時、からだをまっすぐに上下するようにしてください。
膝が曲がったり、前のめりになったり、ふらついたりしないように注意しましょう。
足首を強化する【踵上げトレーニング】はなぜ効くのか?
人間の身体を家に例えると、足は土台にあたります。
足首=足関節には常に体重がかかっていますが、足の指やふくらはぎなどの筋肉で支えているので、立ったり歩いたりといった姿勢や動作を楽におこなうことができます。
しかし足の指やふくらはぎの筋力が弱まると、足関節が不安定になってしまいます。
土台である足関節が不安定になると身体全体が不安定になってしまいますが、そのような場合、人間の身体は別の部分で支えて安定させようとします。
その別の部分というのが、太ももや殿部、腰などです。
本来足の指やふくらはぎで支えるべき負担が太ももや殿部、腰など他の筋肉にかかってしまうのです。
わずかな負担でもそれが少しずつ蓄積すると、次第に筋肉が疲労し、こり固まったり回復しずらくなって、ある日突然、または段々と痛みになってあらわれてくるのです。
つまり、弱った足関節の筋力を強化(回復)することは、太ももや殿部、腰などの負担を減らすことになり、腰や脚の痛みを解消することにつながるのです。
足首強化トレーニングと同時に、過去の記事でご紹介したストレッチなどもおこなうとより効果的です。
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ぜひご参考になさってください。
文・指導/川口陽海
厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616
http://www.re-studio.jp/index.html