文/川口陽海
足が痛い、しびれる……。
このような症状を訴えて病院にいくと、『坐骨神経痛』と診断されることが多いです。MRIなどで検査を受けると、脊柱管狭窄症や椎間板ヘルニアなどがみつかるかもしれません。
『とりあえず薬で様子をみましょう』と、鎮痛剤や血行促進剤を処方されて飲んではいるけれど、あまり効果がない。
『リハビリに通ってください』と言われて、電気をかけたり牽引したりしても、症状は良くならない。
私の腰痛トレーニング研究所には、毎日このような患者さんがたくさん訪れます。
今回はそのような場合に、腰痛トレーニング研究所で実際に指導をしている、手軽に自分でできて効果が期待できるストレッチをご紹介したいと思います。
●坐骨神経痛とは?
腰椎や仙骨から脚に伸びている太い神経を『坐骨神経』といいます。
この『坐骨神経』が、なんらかの原因で圧迫され、神経の走行上に痛みやしびれがおこると『坐骨神経痛』と診断されます。
坐骨神経痛の原因は?
・腰部脊柱管狭窄症
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰椎すべり症・分離症
・梨状筋症候群
などにより、坐骨神経が圧迫されると脚に痛みやしびれがおこるとされています。
しかし、はっきり原因がわからないケースもあります。
また、まれではありますが、脊髄の腫瘍や脊椎疾患、感染症、脳脊髄疾患などでもこのような症状がおきることがありますので注意が必要です。
今回ご紹介するストレッチは、こんな方にオススメです。
・腿の裏やふくらはぎなど、脚の後ろ側に痛みやしびれがおこる。
・腿の外側やすねの外側に痛みやしびれがおこる。
・イスから立つと痛む。
・立ちっぱなしで痛みやしびれが出る。
・朝起きた時痛む。
・歩くと段々痛みやしびれが増してくる
【痛みやしびれのおこる部位】
(1)腿の裏やふくらはぎが痛む、しびれる
(2)腿の外側やすねの外側が痛む、しびれる
(3)足の裏や足の指がしびれる
このストレッチで伸ばしている筋肉は、主に次の3つです。
【ハムストリング】
腿の裏側の筋肉。
人間が歩くときに脚を後ろにけり出したり、膝を曲げたりする筋肉。
デスクワークや座りっぱなしが多いと固くなったり、弱くなったりして
腿裏の痛みやしびれの原因となります。
【腓腹筋・ヒラメ筋(下腿三頭筋)】
ふくらはぎの筋肉。
股関節を動かしたり、骨盤や股関節、膝関節を支えたりする筋肉。
座りっぱなしや運動不足などで固くなったり、弱くなったりして
ふくらはぎや足の裏のいたみやしびれの原因となります。
【長・短腓骨筋】
すねの外側の細い筋肉。
すねの外側や足首などの痛みやしびれの原因となります。
それでは、実際にストレッチを行ってみましょう!
【次ページに続きます】