文/鈴木拓也

高齢化社会の進展に伴い、増加し続ける認知症患者。いまや65歳以上の7人に2人が、認知症もしくは(認知症予備群といわれる)軽度認知障害を発症しているという。

認知症予防専門のひろかわクリニックの広川慶裕院長は、近著『認知症にならないクセづくり 予防は何歳からでも!』(ワニブックス)の中で、よく知られているアルツハイマー型認知症について、高齢になって突然発症するのではなく、40代からその予兆があるとしている。

「発症するまでには20~25年の猶予があります。グレーゾーンの間に生活習慣を整え、アクティブに暮らして健康寿命を延ばす。健康なままゴールを迎えようというものです」(同書より)

発症を予防する中でも重要な柱が「血流を良くする」ことだという広川院長が、同書の中で紹介している血流を良くする呼吸法や体操をいくつか紹介しよう。いずれも場所も時間もとらず気軽にできるものばかりだ。

■1:耳を後ろから折りたたんで押す

手のひらを広げて耳の後ろに当て、後ろから前方向に耳全体をたたむ(両耳同時に)。

手のひら全体で押さえるようにして、耳をたたんだ状態を3~5秒間キープ。目の周りがぽかぽかしてくるはず。

■2:耳を上から折りたたんで押す

次はたたむ方向を変える。手のひらを広げて耳の上に当て、上から下方向に耳をたたむ。

耳をたたんだ状態を3~5秒間キープ。耳を軽く頭部に押し付けるようにするとよい。

■3:耳を下から折りたたんで押す

さらにたたむ方向を変える。手のひらを広げて耳の下に当て、下から上方向にたたむ。

手のひらで耳を押して、折りたたんだ状態を3~5秒間キープ。手のひらを離すと血流がアップしたことが感じられる。

広川院長自身、朝、仕事中、寝る前など、1日に何度もやっているという。「すぐに効果を実感できる」とのことで、まずは上に挙げた『耳押し体操』を続けてみて、さらに本書を読まれて他のエクササイズも実践するとよいだろう。

同書では、血流改善だけでなく、認知症予防の有効な対策として、頭と体を一緒に動かす「ながら体操」や、睡眠や食事の習慣、クイズ感覚で行う「認トレ」ドリルなど、多くの内容が詰まっている。昨日食べた晩御飯のメニューが思い出せないなど、若い時にはなかった物忘れがいろいろ気になったら、取り組んでみるとよいだろう。

【今日の健康に良い1冊】
『認知症にならないクセづくり 予防は何歳からでも!』
(広川慶裕著、本体1,200円+税、ワニブックス)
https://www.wani.co.jp/event.php?id=5591

文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。

画像提供/ワニブックス(画像モデル/ハイヒールリンゴ)

 

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