
古くから春に移り変わる時期は、「木の芽時(このめどき)」と呼ばれ、気持ちが不安定になったり心身の不調が起こったりしがちと言われてきました。さらに、新年度で環境が変わることで無意識のうちに心にストレスがかかっていることも。
今回はこれまで『サライ.jp』でお伝えしてきた「ストレスに効く漢方」に関する記事をご紹介します。漢方を頼りながら、他にもストレスを溜めない・解消する工夫をして、春を気持ちよく過ごしましょう。
1:体質によってストレスのあらわれ方は変わる

漢方医学における考え方でストレスを分類し、その解決方法もご紹介。
おなかが張ったり、げっぷやおならが出やすくなり、些細なことでイライラし、怒りっぽくなる人は「気滞」タイプ。体の根源となるエネルギーの「気」が滞っている状態が考えられます。「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」などがおすすめ。
疲れがハッキリと顔に出て、目の下にクマができたり、肌のくすみが目立ったり、傷の治りが遅かったりする人は「瘀血」タイプ。過度な緊張がストレスとなり、血管が収縮することによって血液の流れが悪くなっていることが原因です。「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」で改善を。
のどの渇きや口・鼻の粘膜を強く感じたり、便秘がちな人は「陰虚」タイプ。ストレスにより気の流れが滞ると、体に余計な熱がこもっているのかもしれません。「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」が適しています。
※新生活のストレスを和らげる漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
2:几帳面で真面目な人は要注意!

家庭や友人などの人間関係の悩み、仕事のストレス、将来への不安など、日常的に大きな負担を抱えている場合に体はバランスを崩し、「気滞」になってしまうそう。
気滞とは、気の巡りが悪くなり、精神が不安定になっている状態のことで、ささいなことで怒ってしまったり、不安を感じやすくなったり、情緒が不安定で落ち着かない状態になります。また、寝つきが悪くなり、昼間に眠くなってしまい、やる気や集中力も出なくなります。もともと几帳面な性格や、責任感がありすぎる人に多く見られるのだとか。
気滞に悩む人におすすめの漢方は、「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「加味逍遙散(かみしょうようさん)」です。
※「気滞」とは? 繊細でストレスに弱い人におすすめの漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
3:心療内科でも処方される、心に効く漢方薬

ストレスによって、心身に現れる症状は人それぞれ。漢方薬で心と体のバランスを整え、症状を改善していきましょう。
■「イライラ」する人⇒「加味逍遙散(かみしょうようさん)」「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」
■「不安感・不眠」に悩む人⇒「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」「酸棗仁湯(さんそうにんとう)」
■「倦怠感」を感じる人⇒「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」「六君子湯(りっくんしとう)」
■「鬱々とした気分」になる人⇒「帰脾湯(きひとう)」「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」
※心療内科でも処方される、メンタルに効く漢方薬【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
4:「感情の便秘」とは?

「感情の便秘」とはストレスを耐え忍んで我慢してしまうこと。いろいろ言いたいのに自分の気持を押し殺し、じっと歯を噛み締めながら耐え忍ぶがんばり屋さんや、あんなことが起きやしないか、こんなことが起きやしないかとつい先々のことを考えすぎてしまう心配性の人が陥りやすいそう。体に現れる症状としては、お腹にガスがたまりやすくなり、氣がうまく巡らなくなってしまうのだとか。
そんな人たちの「ガス抜き剤」として効果的なのが「抑肝散(よくかんさん)」という漢方薬です。
※ストレスで「感情の便秘」に陥りがちな人の5大特徴【名医に聞く健康の秘訣】
5:のどの渇きも肌の乾燥も便秘も、ストレスが要因!?

生活習慣が乱れていたり、疲れやストレスがたまることで、「陰虚」という体質になってしまいます。
陰虚とは汗や唾液、胃液から尿に至るまで、様々な水分が不足している状態で、のどの渇きを強く感じ、ドライマウスとなって口臭が強くなったりすることも。また、皮ふが乾燥してかゆみが出たり、便秘や排便痛にもつながります。
「知柏地黄丸(ちばくじおうがん)」「麦門冬湯(ばくもんどうとう)」「麻子仁丸(ましにんがん)」などで、体の水分の循環を良くすることで改善されます。
※イライラしやすく口が乾く「陰虚」とは? 水不足タイプの特効薬【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
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漢方薬は自身の体質に合わせてこそ、効果が得られるものです。必ず、漢方医学を学んだ医師や薬剤師など、専門家のアドバイスに従い、最適なものを服用するようにしましょう。
