皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの?」と思っている方も多いのではないでしょうか。
そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第23回のテーマは、「体質傾向別(3)気滞って?」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。
気滞とは?
漢方の考えでは、人の体は「気・血・水」の3つの要素で成り立っていると考えています。3つのバランスが保たれている状態が健康で、逆にひとつでも調子が悪いと体はバランスを崩してしまうのです。
気は、生命活動を支えるエネルギーのようなもので、体を動かすための原動力となります。「気滞」とは、気の巡りが悪くなり、精神が不安定になっている状態を指します。本来の気の機能が発揮できず、体に様々な不調があらわれるのです。
気滞の状態に見られる症状
つづいては、気滞による具体的な症状について解説します。
気滞になると、ささいなことで怒ってしまったり、不安を感じやすくなったり、情緒が不安定で落ち着かない状態になります。また、寝つきが悪くなり、昼間に眠くなってしまい、やる気や集中力も出ません。
さらに、顔や上半身は熱いのに手足は冷たい、「冷えのぼせ」が起きます。のどやみぞおち辺りがつっかえる感じがして、おなかに圧迫感があらわれるのも特徴です。
さらに、胃腸の働きが悪くなり、排尿や排便も不安定になります。女性の場合、月経周期が乱れ、胸が張って痛むなどの症状も起きます。
気滞になってしまうのはどうして?
気滞の主な原因はストレスです。たとえば、家庭や友人などの人間関係の悩み、仕事のストレス、将来への不安など、日常的に大きな負担を抱えている場合に体はバランスを崩し、気滞になってしまいます。
もともとの性格も関係があります。気滞はストレスを抱えやすい人がなりやすく、几帳面な性格や、責任感がありすぎる人に多く見られるのです。
気の巡りが悪くなると、自律神経が不調になり、それが精神の不安定や睡眠障害の原因になります。また、気はのどや胸、みぞおちなど、体の空洞にたまりやすいという傾向があり、それがつっかえ感や圧迫感となってあらわれます。
気滞の改善におすすめの漢方薬
気滞を改善するには、ストレスを抱え込まず、おおらかな気分で毎日を過ごすことが大切です。まずは深呼吸をして、ストレスの原因からなるべく遠ざかり、自分だけの時間を作ることから始めてみましょう。
気滞の改善には漢方薬もおすすめです。漢方薬は抗ストレス作用、心を落ち着ける精神安定作用、免疫を活性化させる免疫賦活作用などの薬効がある漢方薬を選択します。
症状を体質から改善できる漢方薬は、気滞に悩む人の心強い味方になってくれるでしょう。気滞に有効な漢方薬を3つご紹介します。
気滞に悩む方におすすめの漢方薬
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):気の停滞に働きかけ、巡りをよくします。緊張や不安、イライラなど精神的に落ち着かない人の神経を鎮めて落ち着かせます。また、のどのつかえや吐き気、胃腸の不調も解消します。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):上昇した気を降ろし、巡らせます。心と体を正常に保ち、不安定な心を落ち着かせます。また、不眠や便秘などにも用いられることがあります。
加味逍遙散(かみしょうようさん):ストレスによる心身不調に働きかけ、不安や不眠を改善する漢方薬です。のぼせ感や冷え性、便秘にも使用されます。婦人漢方薬としても有名で、月経異常や更年期障害などにも用いられます。
漢方薬は、体質や症状に合わせて服用することで本来の効果を発揮できます。そのため、医師や薬剤師などの基礎から漢方を学んだプロの診断が重要で、間違った判断は効き目が出ないどころか、副作用のリスクを高めてしまいます。
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ストレスが原因の気滞は漢方薬で改善できる
気滞は、体にとって重要なエネルギーが停滞していることを指し、イライラなどの精神の不安定や、のどやみぞおちのつっかえ感、体の冷えのぼせなど、様々な不調の原因になります。原因はストレスが主で、漢方薬で改善を行えます。
漢方薬を用いる際は、自分の体質をしっかり理解することが重要です。医師や薬剤師などの専門家からアドバイスを受け、正しく服用しましょう。
さて、次回は「体質傾向別(4)湿熱って?」です。ぜひご覧ください!
<この記事を書いた人>
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