
最近、ふとした瞬間に「ドキッ」と胸が高鳴ったり、脈が一瞬飛ぶような感覚を覚えることはありませんか? 「心臓の病気かも……」と不安になって病院で検査を受けても、「異常なし」と言われる。そんな経験をする女性は、30〜50代を中心に少なくありません。
実はこの動悸や不整脈のような症状の背景には、ホルモンバランスの乱れや自律神経の不調が関係していることがあります。今回は、動悸をやわらげるための漢方的な考え方と、心身を整えるセルフケアについて、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の研究にも携わる碇 純子さんにお話を伺いました。
なぜ「動悸」や「不整脈のような症状」が起こるの?

碇さんによると、女性の動悸や胸の違和感の多くは「ホルモンと自律神経のバランス」に原因があるといいます。
「女性ホルモン(エストロゲン)は、自律神経の働きを安定させる役割を担っています。 そのため、ホルモンの分泌がゆらぐ30代後半以降は、ちょっとしたストレスや疲れでも自律神経が乱れやすくなり、 動悸や息苦しさ、めまいなどの症状が出やすくなるんです」(碇さん)
また、ストレスや睡眠不足、冷えなども心臓に負担をかける要因に。 血流が悪くなったり、交感神経が優位な状態が続いたりすると、心臓がドキドキしているように感じることがあります。
「心臓そのものに異常がない場合でも、体が緊張モードのまま休まらない状態が続くと、鼓動の乱れが起こりやすくなります。つまり、心臓ではなく『自律神経とホルモン』が疲れているサインとも言えるのです」(碇さん)
動悸や不整脈の初期症状におすすめの漢方薬

漢方では、動悸のような症状を「気(エネルギー)」や「血(けつ)」の巡りの乱れ、または「心(しん)」の不安定さと考えます。 体質や原因に合わせて選ぶことで、根本から心身を整えることができます。
加味逍遙散(かみしょうようさん)
イライラ、のぼせ、ほてりなど、ストレスやホルモンバランスの乱れが強いタイプに。 気の巡りを良くして、自律神経のバランスを整えます。
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
不安感や緊張感が強く、動悸や胸の圧迫感を感じやすい人に。 心の高ぶりを鎮め、リラックスを促す効果があります。
桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
寝つきが悪い、鼓動が気になる、神経が敏感になっている方に。 体をあたため、穏やかに心を落ち着かせます。
自分に合った漢方薬を選ぶには、体質の見極めが大切です。 オンラインで気軽に相談できる『あんしん漢方』などを活用すると、専門家が一人ひとりの状態に合う処方を提案してくれます。
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心のドキドキを落ち着かせるためのセルフケア

心臓のドキドキを落ち着かせるカギは、体のバランスを整えること。
難しいことをしなくても、呼吸やお風呂、食事など、身近な工夫で自律神経は整っていきます。
今日からできる心を穏やかに保つためのセルフケアをチェックしてみましょう。
1.深呼吸で自律神経をリセット
1日数回、ゆっくりと息を吐くことを意識しましょう。深呼吸は副交感神経を刺激し、過緊張をやわらげます。
2.ぬるめのお風呂で血流を促す
38〜40℃の湯にゆったり浸かると、体が温まり、血の巡りと気の流れが整います。
3.カフェイン・アルコールを控える
コーヒーやお酒の取りすぎは交感神経を興奮させ、動悸を悪化させることも。 代わりに白湯やハーブティーでリラックスを。
4.「眠る前1時間のスマホオフ」でリラックス
ブルーライトや情報刺激は自律神経を乱す要因です。 照明を落として休む準備をする時間を大切にしましょう。
5.女性ホルモンをサポートする食材を取り入れる
大豆製品(豆腐・納豆・豆乳)に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン様作用を持ちます。ナッツやゴマなどのビタミンE、鉄分・マグネシウムも自律神経の働きをサポートします。
内側から整えて、穏やかな鼓動とともに毎日を

動悸や不整脈のような症状は、体からの「少し休んで」というサインでもあります。ホルモンバランスや自律神経を整えることで、心臓そのものが穏やかに拍動を刻むようになります。
「ドキドキ=不安なもの」と思わずに、体が変化している証拠として受け止めることも大切です。
漢方とセルフケアで、からだ本来のリズムを取り戻し、安心して息をつける自分を取り戻していきましょう。
<この記事の監修者>

碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。
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イラスト:にゃたり










