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季節の変わり目や、気温の急激な変化によって、頭痛、倦怠感などの症状に悩まされることはありませんか? 気温や気圧などの自然環境の変化によって自律神経が乱れることが主な原因ですが、生活環境の変化によるストレスも要因のひとつに。
今回はこれまで『サライ.jp』でお伝えしてきた「寒暖差や気圧の変化による不調に効く漢方」に関する記事をご紹介します。心身のバランスを整える効果のある漢方を大いに活用しましょう。
1:低気圧や寒暖差による頭痛に効く漢方は、二日酔対策にもおすすめ!
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低気圧や寒暖差による頭痛に効果的な漢方として知られているのが、五苓散(ごれいさん)です。水分代謝を促して、体にたまった余分な水分のみを排出し、体内の水分バランスを整えてくれます。
即効性も期待できるので、頭痛だけでなく、水様性の下痢や急性胃腸炎、二日酔いの不調などに使われることもあります。
※低気圧や寒暖差の頭痛に効く「五苓散」【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
2:水分の循環をよくして、脳のむくみを解消する
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寒暖差や湿度、気圧などの気象の変化による体調不良を気象病といい、とくに気圧頭痛に悩まされている人も多いのでは。気圧頭痛は、むくみにより血管が拡張し、周囲の神経を刺激することで起きます。頭痛だけでなく、疼痛や関節痛、倦怠感や吐き気、めまいなどの自律神経症状を誘発することも。
主な原因は、体の水分や自律神経のバランスの乱れ。気圧頭痛の改善には、「水分の循環をよくして頭痛の原因となる脳のむくみを解消する」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある生薬を含む漢方薬が効果的です。
低気圧による不調に五苓散(ごれいさん)、めまいや立ちくらみに苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)、冷えからくる頭痛には呉茱萸湯(ごしゅゆとう)がおすすめです。
※ズキズキ頭痛から解放!「気圧頭痛」を和らげる漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
3:心身に大きなストレスがかかる春こそ、漢方でバランスを整えよう
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春先に体調をくずしやすいのは、1日のなかでも寒暖差が大きく変化するから。また、春は生活環境が変化することも多いので、肉体と精神の両面に大きなストレスがかかります。
東洋医学では、春は古いものを押し出し、新しいものが芽吹く時期とされています。新陳代謝のスピードも上がり、体に大きな変化が起きると、冬に隠れていた持病やアレルギーなどの不調もあらわれやすくなると考えられています。
季節の変わり目に感じるだるさや全身の倦怠感には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、イライラや神経の高ぶりには抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)、不眠や神経過敏には酸棗仁湯(さんそうにんとう)、食欲不振には四逆散(しぎゃくさん)を試してみてはいかがでしょうか。
※季節の変わり目に起こりやすい「不調に効く」漢方【漢方薬剤師が教える漢方のキホン】
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漢方薬は自身の体質に合わせてこそ、効果が得られるものです。必ず、漢方医学を学んだ医師や薬剤師など、専門家のアドバイスに従い、最適なものを服用するようにしましょう。
文/編集部
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