皆さんは、漢方薬と聞くとどんな印象がありますか? 「苦いけど体によさそう」「葛根湯は知っているけど……」など、「そもそも漢方ってどんなもの? 」と思っている方も多いのではないでしょうか。

そんな基本的な漢方に関する疑問や基礎知識を、漢方の専門家にわかりやすく解説してもらいます。 第36回のテーマは、「メンタルに効く漢方薬」です。あんしん漢方(オンラインAI漢方)の薬剤師、竹田由子さんに教えてもらいました。

メンタルと体の深い関係

メンタルと体は密接につながっています。たとえば、ストレスで胃が痛くなったり緊張で頭痛が起きたりと、メンタルの不調が体の症状につながることも多いようです。

西洋薬では「胃痛なら胃薬」「頭痛なら痛み止め」など対症療法が基本ですが、漢方薬は心と体のバランスを整えて症状を改善していきます。そのため、メンタルの不調と体の不調に同時にアプローチできるのです。

また、メンタル不調の場合、「病気の診断はついていないけれど何となく調子が悪い」という状態も多いでしょう。漢方ではこの状態を「未病(みびょう)」といいます。

メンタルの諸症状は、診断がつくまで悪化すると治すのに時間がかかります。症状が悪化する前の「未病」のときに治療ができるのは、漢方薬の大きなメリットです。

心療内科で処方されるメンタルの不調に効く漢方薬

メンタルの不調には、心療内科でも自然由来の治療薬とされている漢方薬がおすすめです。睡眠薬や向精神薬の副作用が心配な場合にも、漢方薬なら比較的副作用が少ないといわれています。

漢方薬のなかには、自律神経を整えることで、イライラや落ち込み、不眠を改善するものがあります。メンタルの不調には、そのなかから状態に合わせたものを選びます。

漢方薬はメンタルの不調を改善しながら、胃腸の機能回復などによって消化吸収を良くすることで、心と体全体を元気に導くのです。

よく処方される漢方薬を症状別に紹介していきます。

1.「イライラ」に効く漢方薬

・加味逍遙散(かみしょうようさん):更年期に伴う不眠やイライラによく用いられるので、婦人科でも処方されることが多い漢方薬です。「気」の巡りをうながし、血流を整えホルモンバランスの乱れによる不眠などの精神神経症状を改善します。

・黄連解毒湯(おうれんげどくとう):体の余分な「熱」を体外に排出して冷ます「清熱(せいねつ)」作用がある漢方薬です。寝つけない不眠があったり、イライラして顔がカッと赤くのぼせるようになる傾向の人に用いられます。

2.「不安感・不眠」に効く漢方薬

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):イライラや動悸、寝つけないなどの精神症状があるときに用いられます。「心」への影響が強い「肝」の「疎泄(そせつ)」作用をうながし、「心」の精神活動を安定に導くことで、不安感や不眠を改善します。

酸棗仁湯(さんそうにんとう):心身が弱って眠れない、熟睡感がない人に用いられます。循環機能が低下した「心」の働きを助ける漢方薬です。西洋薬のなかには習慣性(依存性)が高い睡眠薬もありますが、酸棗仁湯には習慣性がないのが特徴です。

3.「倦怠感」に効く漢方薬

補中益気湯(ほちゅうえっきとう):消化機能の衰えや疲労倦怠に用います。心身ともに元気が足りない「気虚(ききょ)」のときに、「肺」と「脾」の機能を高めて「気」を補う漢方薬です。

六君子湯(りっくんしとう):胃腸が弱く、胃がぽちゃぽちゃして食欲がない人や疲れやすい人に用いられます。体のだるさは「気虚」だけでなく、体内に余分な水分が停滞している「痰湿(たんしつ)」も原因のひとつです。六君子湯は「気虚」と「痰湿」の両方にアプローチして、元気不足を改善します。

4.「鬱々とした気分」に効く漢方薬

帰脾湯(きひとう):貧血の人や疲れすぎて眠れないような不眠の人、気にしやすい神経症の人に用いられます。精神活動に必要な「血(けつ)」と、「血」を作るための「気」を補います。帰脾湯は体力がない人から使えるのが特徴です。

半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):「気」は心と体を動かすエネルギーといわれており、ストレスでうまく気が巡らない「気滞」があると、気分が落ち込みます。また、「気滞」がある体の部位には症状が出てきます。

半夏厚朴湯は、主にのどの「気滞」を取り除きます。ストレスで気分がふさいで、のどに何か詰まったような異物感や咳を改善します。

漢方は体質との相性で正しく選ぼう

心療内科で処方される漢方薬をいくつかご紹介しましたが、同じ症状でも体質によって合う処方は違います。漢方薬は体質に合わないと効果が出ないだけでなく、副作用が起こることもあるので、選ぶときは漢方に精通した医師や薬剤師に相談しましょう。

「心療内科や漢方薬局に行くのはハードルが高い」という方には、オンライン個別相談で体質に合った漢方薬を処方してくれる「あんしん漢方」がおすすめです。個別サポートで医師や薬剤師に相談ができるので、心療内科に行かなくても高品質な漢方サービスが受けられます。

また、自宅まで郵送してくれるため、「気分がふさいでなかなか外に出られない」というときにも利用しやすいでしょう。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0111

メンタルの不調を漢方で解決!

漢方薬は西洋薬と違い、根本からメンタルの不調の改善に働きかけられます。また、「何となく気分が落ち込む」「ストレスでイライラする」など病名がはっきりしない場合でも対応が可能です。

メンタルの不調にお悩みの方は、漢方薬の力を借りることも検討してみましょう。なお、漢方薬は自分の体質やタイプに合ったものを選ぶことにより効果が発揮されるので、まずは専門家に相談することをおすすめします。

<この記事を書いた人>


あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
竹田由子
元漢方・生薬認定薬剤師。大学院で臨床薬学を専攻、日米で病院研修を受ける。病院薬剤師として10年間入院患者を担当しながら、化学療法・医薬品情報担当としても活動する。
患者さんから「本音を話しやすい」と言われ関わるうちに、日常のセルフケアの大切さを痛感。転居後は薬局に勤務する傍ら、ライターとしても活動する。病院時代の上司が漢方好きで、漢方の凄さを体感し魅了され「日常の不調はまず漢方」と生活している。
現在は、漢方のプロがAIを活用して自分に適した漢方薬を選びお手頃価格で自宅に郵送してくれる「あんしん漢方」でも情報発信をしている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0111

 

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