30~40代のプレ更年期や、40~50代の更年期の女性は「なんとなくの不調」「ちょっとした違和感」を抱くことが多くなります。
なかでも多くの人が困っている悩みは、のぼせや発汗、ほてりなどがあらわれる「ホットフラッシュ」という症状です。

実は、その不調には漢方薬が役立つことをご存知でしたか?

私の悩みにも漢方薬が役立つのか知りたい! 根本解消する方法が知りたい!
そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
今回は「ホットフラッシュ」の原因や対処法について、あんしん漢方の薬剤師で、漢方薬製剤の開発研究に携わる碇純子さんに教えてもらいました。

すぐに汗がふき出して顔が真っ赤…恥ずかしいこの症状は更年期?

由美さん 51歳女性の方からご質問を頂きました。

「ここ最近、突然体が熱くなって、汗がふき出してくることがあります。とくに頭と顔、首などの汗がひどく、顔が真っ赤になってしまうことも。主人なんて『猿の赤ん坊みたい』などとからかうので、頭にきてしまいます。『汗が出てきたらどうしよう』『顔は赤くないかしら』など、人と会話していても気が散ってしまいます。このような症状を改善するよい方法があれば教えてください」

ご質問ありがとうございます。ご相談者の由美さんの症状は、更年期の代表的な症状のホットフラッシュの可能性があります。

ホットフラッシュの症状はいきなりあらわれるうえに、周囲の反応が気になるという点でもつらい悩みですよね。

しかし、ホットフラッシュの原因をしっかり把握して対処することで、緩和できる場合もあります。まずは、ホットフラッシュの原因についてみていきましょう。

ホットフラッシュの原因は、更年期のホルモンバランス

閉経を迎える前後約10年間を更年期といいますが、その際に女性ホルモンバランスが変動し起こるのが更年期症状です。ホットフラッシュも代表的な更年期症状のひとつで、のぼせやほてりなどの様々な不調があらわれます。

女性は、更年期を迎えると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が急激に減少。エストロゲンが減少すると、自律神経が乱れ、血管の収縮・拡張、発汗のコントロールがうまくいかなくなり、ホットフラッシュの症状があらわれます。

また、更年期症状の原因は、エストロゲン低下だけでなく心身のストレスが関わっていることも。更年期世代は定年・子どもの自立など、人生にも大きな変化が訪れる時期で、ストレスが多い時期でもあります。

しかし、のぼせやほてりなどの症状は、高血圧や甲状腺異常など更年期以外の別の原因が隠れている場合もあるので、症状が気になる場合は病院を受診しましょう。

更年期のホットフラッシュを軽減する方法

病院から更年期由来の症状だと判断された場合、セルフケアや治療などで対処を行います。具体的な対処方法3つをみていきましょう。

1.腹式呼吸

腹式呼吸は、ホットフラッシュの手軽なセルフケアのひとつです。体を活発的にする交感神経を抑え、リラックスモードの副交感神経に切り替えることで、ホットフラッシュの症状を落ち着かせます。

腹式呼吸の方法は以下の通りです。

(1)リラックスした状態で椅子に座る
(2)おへそ辺りに手を当てる
(3)おなかを膨らませることを意識しながら、息を鼻からゆっくりと吸う
(4)おなかをへこませながら、吸うときの倍以上かけて息を口からゆっくりと吐く

気分が落ち着きリラックスするまで、5~10回、無理のない程度に繰り返しましょう。

2.ホルモン補充療法・プラセンタ注射

ホルモン補充療法は、不足したエストロゲンを薬で補う治療法です。乳がん、子宮体がん、血栓症などのリスクはありますが、医師の指導のもと、リスク管理しながら適切に治療を行っていきます。

また、プラセンタ注射という選択肢もあります。プラセンタとは、胎盤から精製されたエキスで、アミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素や様々な成長因子が豊富に含まれていて、ホルモン調整作用や、自律神経調整作用を期待できるでしょう。

更年期症状の治療目的で、なおかつ45歳~59歳の女性であれば、保険が適用可能な面も大きなメリットです。

3.漢方薬

「通院に時間を割けない」「病院での治療には抵抗がある」という場合は、漢方薬もおすすめです。

漢方薬は、植物や鉱物など自然由来の生薬で構成されていて、西洋薬に比べ副作用のリスクが低いといわれています。心と体のバランスの乱れを整え、様々な不調に悩む更年期女性の不調の解消をめざします。

ホットフラッシュの緩和には、「自律神経を整えて体にこもった余分な熱を発散させる」「血流をよくして寒熱のバランスを整える」といったはたらきを持つ漢方薬を使用しましょう。

ホットフラッシュの緩和に適した漢方薬をご紹介します。

ホットフラッシュが気になる人におすすめの漢方薬

加味逍遙散(かみしょうようさん):のぼせ感があり、些細なことでイライラしてしまう方におすすめです。体の余分な熱をとり去り、更年期など女性のホルモンの変動に伴ってあらわれる精神不安やホットフラッシュなどの身体症状を緩和します。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):比較的体力があり、上半身ののぼせだけでなく下半身の冷えも気になる方に向いています。血流をよくして、上半身にたまった熱を発散させ、めまいや肩こり、更年期障害などを改善します。

漢方薬は体質との相性も重要です。体と漢方薬の相性が悪いと、本来の効果が発揮できないので、漢方薬を使用するときは必ず医師や薬剤師などの漢方薬の専門家に相談しましょう。

病院や薬局に行くよりも気軽に漢方薬を利用できる「あんしん漢方」もおすすめです。あんしん漢方は、人それぞれ異なる体質に合った漢方薬を提案してもらえるオーダーメイド漢方薬サービス。
体質診断から漢方薬の購入まですべてオンライン上で完結できるので、スマホで簡単に高品質な漢方薬サービスを受けられます。
困ったときは漢方医師にいつでも相談でき、アフターフォローも充実しています。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0195

ホットフラッシュは放置せず、適切な対処を

のぼせ、発汗、ほてりといった不調がみられる場合、更年期症状のホットフラッシュの可能性があります。ホットフラッシュは、更年期を迎えて女性ホルモン分泌が急激に低下し、自律神経が乱れることで起こります。

今回ご紹介したセルフケアや治療法を参考に、更年期症状を乗り切っていきましょう。

さて、次回は「のぼせやほてりを感じたら『知柏地黄丸(ちばくじおうがん)』」です。ぜひご覧ください!

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師
碇 純子(いかり すみこ)
薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師
/ 修士(薬学) / 博士(理学)
神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。
世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

●あんしん漢方(オンラインAI漢方):https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=221432a9sera0195

 

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