浮き指は偏平足、外反母趾、巻き爪などの原因になりますが、腰痛や坐骨神経痛の原因にもなることがあります。
浮き指の改善トレーニングについて解説します。

浮き指とは?

浮き指とは、立っている時や歩いている時などに足の指が自然に浮いてしまっている状態を言います。

上の図ではやや大げさに浮いてしまっていますが、一見指が床に着いているように見えても、足の指に力が入っておらず、踏ん張れていない状態であれば浮き指といっています。

足(この場合足首から先の部分)は人体の土台となり、体を支えるとても大事な役割を担っていますが、その大部分は足の指の力がおこなっていると言っても過言ではありません。

簡単に足の指の働きを体験してみましょう。踵(かかと)を上げてつま先立ちで立ってみてください。

慣れていないと多少ふらつくかもしれませんが、足の指で踏ん張るようにするとしっかり立てるのがわかると思います。

次に、今度は足のつま先を上げて、踵だけで立ってみてください。

踵だけではうまくバランスが取れず、ふらついたり動いてしまったりしませんか? それだけでなく、脚や腰など色んなところに力が入ってしまうのがわかるかもしれません。

このように、人間の身体は足の指でしっかり踏ん張って立つように作られているのです。

これは野山や凸凹な地形でも活動できるように進化してきたため。

しかし、現代人は靴を履いて平らなところで生活することが多いため、知らず知らずのうちに足指を使わなくなり、浮き指になってしまっているのです。

浮き指でおこる様々な障害

浮き指になると、様々な障害がおこりやすくなります。偏平足、外反母趾、巻き爪などがその代表格。

【偏平足】

浮き指になると、足裏のアーチをつくる力が弱まるため、偏平足になりやすくなります。

そして偏平足になると足の内側(親指側)に体重がかかりやすくなるため、外反母趾がおこりやすくなります。ハイヒールや細い靴だけが原因ではないのです。

また、足指が浮いてしまうと指の腹側からの圧力がかからないために、爪が変形しやすくなって巻き爪などになりやすくなります。

【巻き爪】

巻き爪では、指で踏ん張ると実際に痛みが出たりしますが、実は指で踏ん張るようにすることで改善します。

そして、浮き指では指で踏ん張る力が大幅に低下してしまうため、重心が踵側にかかりやすくなります。

すると、脚の一部の筋肉や関節に負担が集中しやすくなり、膝や股関節、骨盤や腰、その周囲の筋肉の緊張をおこします。

そのために腰や脚の痛みの原因になることがあるのです。

浮き指を改善する歩き方

このように様々な障害の原因になりやすい浮き指ですが、実は比較的簡単なエクササイズで改善することができます。

1)外歩きの時や大股で歩く

歩く時に3~5cmくらい少し大股で歩くこと。またその際に後ろ足の指でしっかり蹴るように歩くことです。

浮き指の方の歩き方の特徴として、歩幅が狭く、蹴り足が弱いということがあります。

これは足の指の力が弱いため。

逆に大股で指を使うことで足指のトレーニングになるのです。

2)家の中では踵を浮かし、外側3本の指を使う

家の中で歩く時、筆者は「踵を1mm浮かして歩きましょう」とアドバイスしています。

「1mm浮かす」というのはあくまで比喩で、1mmきっちり浮かしましょうということではありません。

普通に踵を浮かして歩きましょうというと、ほとんどの方はつま先立ちで歩くと思いますが、踵を上げすぎる必要はありませんので、ほんの少しだけ浮かしてくださいという意味で1mmと言っています。

実際には5mmから1cmくらい浮いても大丈夫です。

踵をほんの少しだけ浮かすようにすると、自然と足指に力が入るのがわかると思います。

その時にさらに外側3本の指、中指薬指小指を意識して使うようにしてみてください。

親指側には自然と力が入りやすくできていますので、外側3本の指を意識することで全部の指に力が入ります。

このような歩き方を意識することで、浮き指やそれにともなった症状の改善が期待できます。

※ご注意)この歩き方をおこなうことで痛みが出る、または痛みのためにこの歩き方自体ができないようでしたらやめてください。

浮き指を改善するトレーニング

歩き方に気をつける以外に、次のようなトレーニングをおこなうことも浮き指改善には効果が期待できます。

自宅で出来る!腰痛トレーニングDVD(https://re-studio.jp/dvd/)より

イスの背もたれや壁などに手を添えて、身体を軽く支えます。
あまり手や腕に体重をかけ過ぎないようにしてください。

脚を肩幅くらいに開き、下腹部を引っ込めるように力を入れて締めます。

そこからつま先立ちをするように踵を上げる→一秒止める→踵をおろす
これを繰り返します。

踵を上げた時は、足の指にしっかりと体重をかけて踏ん張るようにします。とくに外側3本の指も意識するようにしていただくと、よりトレーニング効果が高まります。

踵を上げる時、からだをまっすぐに上下するようにしてください。
膝が曲がったり、前のめりになったり、ふらついたりしないように注意しましょう。

1セット10~20回程度として、1日2~3セットおこなってください。

※ご注意このトレーニングをおこなうことで痛みが出る、または痛みのためにこのトレーニング自体ができないようでしたらやめてください。

この記事があなたの腰の痛みを改善する一助になりましたら幸いです。

以下の記事でも様々な腰痛・坐骨神経痛改善エクササイズをご紹介しております。
ぜひお読みください。

腰痛を解消するためにトレーニングすべき3つの部位とその順番【川口陽海の腰痛改善教室 第120回】(https://serai.jp/health/1149253

自宅・室内で腰痛改善! 足踏み運動で下半身の筋力アップ!【川口陽海の腰痛改善教室 第118回】(https://serai.jp/health/1143858

お尻を鍛えて腰痛改善! 大殿筋のトレーニング【川口陽海の腰痛改善教室 第115回】(https://serai.jp/health/1134892

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腰痛・坐骨神経痛の原因は股関節! 股関節トレーニングで痛みを改善【川口陽海の腰痛改善教室 第81回】(https://serai.jp/health/1057841

拙著「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」が、全国書店にて発売となっています。
お読みいただけると幸いです。

文・指導/川口陽海 厚生労働大臣認定鍼灸師。腰痛トレーニング研究所代表。治療家として20年以上活動、のべ1万人以上を治療。自身が椎間板へルニアと診断され18年以上腰痛坐骨神経痛に苦しんだが、様々な治療、トレーニング、心理療法などを研究し、独自の治療メソッドを確立し完治する。現在新宿区四谷にて腰痛・坐骨神経痛を専門に治療にあたっている。著書に「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(発行:アスコム)」がある。
【腰痛トレーニング研究所/さくら治療院】
東京都新宿区四谷2-14-9森田屋ビル301
TEL:03-6457-8616 http://www.re-studio.jp/index.html

腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい(健康プレミアムシリーズ)川口陽海(著/文) 永澤守(監修) 発行:アスコム
腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい
(健康プレミアムシリーズ)
川口陽海(著/文) 永澤守(監修) 
発行:アスコム

 

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