ダイエットといえば、あまいものやコクがある味の濃い食べものを我慢するという方法が一般的ですよね。しかし、「◯◯制限」などのダイエット法は、ストレスがかかって続かなかったり、リバウンドしたり、代謝が低下してやせにくくなってしまったり……。これでは一向に結果が出ません。

そこで、10万人ものダイエットをサポートしてきた医師・工藤孝文先生の著書『コクあま幸せダイエット』から、「あまいものを食べつつ、痩せる」という画期的なダイエット法をご紹介します。

文/工藤孝文

フラクトオリゴ糖が含まれる野菜や果物

フラクトオリゴ糖は、なじみのある野菜や果物にも含まれています。代表的なものとしては、野菜なら玉ねぎやごぼう、トマト、アスパラガス、にんにくなど。果物ならバナナ。そのほか、ライ麦にも含まれています。

また、最近スーパーでも見かける「ヤーコン」というさつまいもとよく似たいもにも、天然の食材としては豊富にフラクトオリゴ糖が含まれているとの報告もあります。

ただ、このヤーコンなどは別格として、天然の食品に含まれるフラクトオリゴ糖は、それほど多くはありません。体によい効果を得るために理想とされる摂取量は1日3g。これを1つの食品だけで摂ろうとすると、バナナなら10本、ごぼうなら5.5本、トマトなら13個、玉ねぎなら6.5個になります。

さすがにこの量を1日で食べようとすると、ちょっとキツいですよね。ですが、例えば外食続きで、なかなか食べ物や飲み物に、フラクトオリゴ糖の甘味料を加えることができない時に、これらの食品を頭の中に入れておけば、少量だけでも補給することができます。

また、料理をする時に、フラクトオリゴ糖を使わなくても、トマトソースにしよう、カレーには玉ねぎをたっぷり使おう……など暮らしの中で無理なく摂取量を増やしていくことができます。そして、足りない分は、後で飲み物やデザートにフラクトオリゴ糖を入れて補給するというのもひとつの手ではないでしょうか。

忙しい時には既製品を活用して楽々ダイエットおやつ生活を

あまいスイーツをおやつに食べたい。だけど、太るのが怖い……。そんな時の合言葉は、「食べる時間に気を付けながら、フラクトオリゴ糖スイーツを取り入れる」です。

あまいおやつをガマンしてモンモンとし、結局ストレスを爆発させるよりは、フラクトオリゴ糖を使ったスイーツやコクあま料理を楽しんだほうが、ダイエット失敗の可能性が減らせます。

また、フラクトオリゴ糖を使ったチョコレートなどのお菓子も最近は発売されているようです。忙しい時に上手に取り入れるのもよいでしょう。

そしてもうひとつ、気を付けたいのが「時間」です。人体の中の時計遺伝子のひとつが作る「BMAL1(ビーマルワン)」というタンパク質があります。このBMAL1は脂肪の合成を活発にし、新たな脂肪細胞を作り出す働きを持っています。

つまりBMAL1が体内に多くある時に食事をすると、脂肪として蓄積されやすいのです。そしてこのBMAL1は、時間帯によって体内にある量が変動します。22時~深夜2時に一番増え、その後減っていき14時前後に一番少なくなります。

ですからフラクトオリゴ糖入りのものを14~15時に食べることが、一番太りにくいおやつの摂り方になります。

「コクあま幸せダイエット」生活を楽しく過ごすための3つの心得

心得1 まずはいつも使っている甘味料の代わりに

まずは、楽にできる取り入れ方で試してみてください。いつも飲むコーヒーや紅茶などに砂糖の代わりに入れてみましょう。そのほかヨーグルトに入れてみる、肉じゃがの味付けに使ってみるなど、普段食べているものにプラスすると、自然に「コクあま幸せダイエット」が続けられます。ただ、フラクトオリゴ糖を使っているからといって、食べすぎていいわけではないので、気を付けましょう。

心得2 何ごとも「やりすぎ」は禁物です

どんなに体によい食品でも、摂りすぎると体のバランスを崩すことも。フラクトオリゴ糖を急に大量に摂ると、体質や体調によってはお腹が張ったり、お腹がゆるくなったりすることもあります。商品によりますが1日の目安は、シロップタイプ( 含有量が40%の場合) で大さじ1、粉末・顆粒タイプ(含有量が95%の場合)で12gです。やせたいからと突然大量に摂ったりせず、適量を心がけましょう。

心得3 継続は力なり! 毎日無理せず続けていきましょう

何よりも継続が大事。摂るのをやめると、腸内の善玉菌、悪玉菌の比率もとたんに変化し、効果が持続しません。適量を守って毎日続けることで、健康効果はアップしていきます。ですが、「毎日やらなくちゃ」と意気込んでしまうと、ストレスがたまり、逆効果です。無理せず、たとえ摂るのを忘れても、「明日摂ればいいや」と気楽に、そして楽しみながらコクあま生活を続けてみてください。続けるうちにあなたの体にいい変化が訪れるはずです。

フラクトオリゴ糖をおいしく使うコツ

シロップタイプが使いやすい

フラクトオリゴ糖には、シロップタイプと粉末・顆粒タイプがあります。シロップタイプは、スイーツや冷たいドリンクなどの加熱しない調理に適しているほか、煮物や炒め物、スープなどの加熱料理にも使いやすい万能選手。

フラクトオリゴ糖の含有量はおおよそ40%程度のものが多いようです。一方、粉末・顆粒タイプは、フラクトオリゴ糖の含有量は、シロップタイプよりも高いですが、あまさが商品によって大きく異なり、好みの味にするには、そのぶん使用量が増えてしまうため、料理やお菓子作りに使う際は注意が必要です。

あま味を足したい時は……

砂糖ではなく、発酵調味料のみりん、加熱調理であま味を引き出した玉ねぎやトマトなどでカバー。スイーツはフルーツを加えてみてください。

さらに低GI値食品でダイエット効果アップ!

ブロッコリー、ピーマン、雑穀、きのこ類、ヨーグルトといった、低GI 値食品をチョイスすれば、食後血糖値がさらに上がりにくくなり、ダイエット効果が高まります。おからや豆腐でおいしくかさ増しする工夫をするのもよいでしょう。

ミネラルを含む食材を積極的に使用

フラクトオリゴ糖の「ミネラルの吸収を促進する」という特性を活かし、肉類や青菜、海藻類、乳製品、大豆製品、雑穀などを使うと、健康面での相乗効果が期待できます。

注意点

● 商品によってフラクトオリゴ糖の含有量が異なるため、パッケージの表示を見て使用量を確認してください。また、あまさも異なります。
● 酢やレモン果汁など、酸性のもの(pH 数値の低いもの)と合わせて数十分〜数時間加熱する調理、熟成させるような作り置きは、フラクトオリゴ糖の成分が変化する可能性があるので避けてください。

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工藤孝文(くどう・たかふみ)
福岡県みやま市出身。福岡大学医学部卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。帰国後、大学病院、地域の基幹病院を経て、現在は、福岡県みやま市の工藤内科で地域医療に力を注ぐ。専門は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病、漢方医療・ダイエット治療など多岐にわたる。「より多くの人の病気を予防する」をモットーに、医療、健康に関する情報発信を積極的に行っており、NHK「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などのTVをはじめ、さまざまなメディアに出演している。著作も多く『1日1杯飲むだけダイエット やせる出汁』(アスコム)は15万部を超えるベストセラーになっている。

 

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