体重を落としたい。でも、食べる量を減らすダイエットはつらく、なかなか長続きしませんよね。そこで、池上敏郎医師の著書『お腹いっぱい食べて内臓脂肪を落とす 大豆ミートダイエット』から、植物性タンパク質である「大豆ミート」を食事に取り入れて、無理なくダイエットする方法をご紹介します。

文・池谷敏郎

大豆ミートは腎機能の低下を抑制する効果がある

大豆には“良質な”タンパク質が含まれているとご紹介しましたが、大豆のタンパク質のもうひとつのメリットは、“植物性”であるという点です。

厚生労働省が定めるタンパク質の推定平均必要量(1日)は、男性50g、女性40gですが(推奨量は男性60g・女性50g)、摂取量の目安については個人差もあります。2016年に、世界的な学術誌『Nutrition』で国際的な見解が発表されましたが、これによるとアスリートや運動習慣のある人は、体重1kgあたり1.2〜2.0gのタンパク質が必要だと言われています。体重60kgの人の場合、72〜120gのタンパク質になるので、推定平均必要量と比べるとかなり多く摂ることになります。

一方、タンパク質の過剰摂取を控えるべきとされるケースもあります。慢性腎臓病など腎機能障害を有する場合、タンパク質の過剰摂取が腎機能に悪影響を及ぼす可能性があるのです。

タンパク質が体内で分解されるときには、老廃物ができます。腎臓はこの老廃物をろ過して、血液をきれいにする役割を担っています。ですから、健康な人はタンパク質を多く摂っても腎臓には問題ないのですが、腎機能が低下している場合はタンパク質を摂り過ぎると腎臓に負担がかかり、腎障害が進行してしまいます。ちなみに、腎臓病学の国際的組織であるKAIGOのガイドラインでは、進行リスクがある慢性腎臓病の患者の場合は、1日のタンパク質摂取量の上限は1.3g/kg(体重)とされています。

ただ、健康な人ではタンパク質の大量摂取が腎機能障害の原因になるという明らかな証拠はなく、むしろ大豆に含まれる植物性タンパク質を摂取すると腎機能低下を抑制するという報告が出ています。これは本当につい最近、2019年にオーストラリアのメルボルンで開催された国際腎臓学会・世界腎臓学会議」でシドニー大学の研究グループが発表した10年間におよぶ研究の結果です。

研究対象は70歳以上の女性1460人で、調査開始時、5年後、10年後に、食事調査と血液検査(腎機能の目安になるeGFR値を調べるため)の測定を行い、植物性および動物性タンパク質の摂取量と腎機能障害の関係を検討しました。調査の結果と年齢やBMIなどの影響を補正したところ、植物性タンパク質を多く摂取している人は、腎機能の低下が抑制されていました。一方で、動物性タンパク質の摂取量と腎機能の変化には、明らかな関連は認められませんでした。

つまり、植物性タンパク質を摂取すると腎機能の低下が抑えられ、動物性タンパク質の摂取ではその効果は見られないということがわかったのです。

タンパク質は私たちが生きていくうえで欠かせない、大切な栄養素です。慢性腎臓病の治療ガイドラインでも、一定のタンパク質量は確保すべきとなっていて、慢性腎臓病では制限されたなかでどうタンパク質を補うかが課題となります。タンパク質は摂らないといけない、でも腎臓に負担をかけないかが心配……。大豆の植物性タンパク質によって、こんな悩ましい状況が解決するかもしれない、という期待があります。

ただ、大豆なら絶対に問題がないかというと、そうは言い切れません。研究はまだ始まったばかりですし、わかっていないこともあります。私の場合は、腎機能の数値をみながら「大豆なら大丈夫です」と患者さんにすすめています。

私の患者さんにはまだみられていませんが、もし数値が落ちた場合は見直すなど、腎機能に配慮したタンパク質の摂り方が必要になります。腎機能がすでに低下している方は、必ず主治医に相談してください。

健康な人の場合は、過剰摂取の心配はありません。毎日、毎食、食べても大丈夫でしょう。もちろん、ご自身が飽きることなく、おいしく食べられる範囲で、というのがダイエットの成功法則です。大豆の植物性タンパク質が豊富な大豆ミートを味方につけて、ダイエットを成功させましょう。

池谷式「大豆ミートダイエット」の4つのポイント

ポイント1:肉を大豆ミートで代用し、カロリーを大幅にダウン

牛肉や鶏肉、豚肉の代用として大豆ミートを使えば、おいしさはそのままにカロリーは大幅に減らせます。脂質もコレステロールも減らせるので健康効果もアップ。

ポイント2 大豆ミートファーストで血糖値に急上昇を抑制

食べる順番を変えるだけで、ダイエット効果がアップ。最初に大豆ミートのおかず、最後に糖質(米・めん・パン)を食べることで、血糖値の上昇がゆるやかに。

ポイント3 ゆる糖質制限を組み合わせる

ゆるやかな糖質制限(糖質の量をこれまでの1/2〜1/3の量に減らす)を組み合わせることで、ダイエット効果がさらにアップ。短期間で体重が減ります。

ポイント4 “やせる大豆ミート”にしてダイエット効果をアップ

そのままでも肉より格段にヘルシーな大豆ミートですが、さらにダイエット&健康効果をプラス。「かつお粉」と「しょうが」でパワーアップさせて使います。

“やせる大豆ミート”の作り方

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『お腹いっぱい食べて内臓脂肪を落とす 大豆ミートダイエット』 池谷敏郎 著
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池谷敏郎(いけたに・としろう)
池谷医院院長、医学博士。1962年、東京都生まれ。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。専門は内科、循環器科。97年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。血管、心臓などの循環器系のエキスパートとして、現在も臨床現場に立つ。30代のころ15kgの減量に成功した経験を基に、健康的に無理なく痩せるダイエット理論を確立。50歳を超えてからも体脂肪率10.6%をキープする「ダイエットの名医」として、数多くのテレビ出演、新聞・雑誌への寄稿、講演会などでのわかりやすい医学解説が好評を博している。著書に『「血管を鍛える」と超健康になる!』(三笠書房)、『血管・骨・筋肉を強くする!ゾンビ体操』(アスコム)など、数々のベストセラーがある。


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