大トロと中トロのサクを用意。
しっかり煮るのが美味の秘訣
ねぎま鍋は、江戸の町で生まれた庶民の味だ。鮪まぐろの脂身部分のトロは傷みやすく、当初は廃棄されていたが、これを醤油味の汁で葱と一緒に煮たところ非常に美味しく、ねぎま鍋として広まった。
東京・神楽坂の鍋料理専門店『御料理 山さき』では、10月から4月までねぎま鍋を供している。店主の山崎美香さん(53歳)は語る。
「店では天然の本鮪かインド鮪の背と腹の2種類のトロを使いますが、購入しやすい大トロと中トロのサクでも美味しくできます」
鮪は沸騰している汁に、葱とともに入れる。トロが浮いてきたら食べ頃。他の具材を加えて食す。
「美味しく作るコツは、鮪をしっかりと煮ること。火が入ることで鮪の筋すじがゼラチンに変わって、口に入れるとほろりと崩れます。鮪と葱以外の具材は食べる直前に入れ、10秒ほど煮れば充分です」
【材料(2人分)】
【手順】
※山崎のさきは「たつさき」
●御料理 山さき
東京都新宿区神楽坂4-2 福井ビル2階
電話 03・3267・2310
営業時間 18時~22時
2名以上で要予約(月初めに翌月の予約受付開始)。
日曜休、祝日休、12月23日~1月6日休
コース料理のみ、9000円~
テーブル席4(各4名)
※この記事は『サライ』2018年12月号の「魚料理大全」特集より転載しました。本文中の年齢・肩書き等は掲載時のものです(取材・文/諸井里見 撮影/宮地工)。