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小型船「バルジ」で行くブルゴーニュ地方の運河クルーズ

文/印南敦史

フランスでは18〜19世紀にかけ、生活物資を運ぶための河川交通網として、各地に複数の運河がつくられた。やがて鉄道や高速道路の発展とともに忘れ去られていったが、地域の人々の命脈としての機能を果たした運河は近年、観光資源として再評価されている。

たとえばその魅力のひとつが、運河沿いに点在する小さな村や、その周辺ののどかな風景だ。というのも、それらの町や村は主要な交通網から外れた場所にあるためガイドブックで紹介されることが少なく、昔ながらの生活風景がいまも残っているのである。

大型船での移動が困難な運河の航行には、「バルジ」と呼ばれる小型船が活躍する。この「バルジ」を使ったリバークルーズが人気を集めている。

一般的に、フランスのリバークルーズといえば、セーヌ川、ライン川、ローヌ川などの大きな河川をたどるものに焦点があたりがちだ。しかし旅慣れた人にとっては、素朴な村々やのどかな田舎の風景が広がる小さな河川や運河沿いがおすすめだ。とくに注目すべきは、中世に公国として栄えたブルゴーニュ地方を行く旅だ。

パリの南東に広がるブルゴーニュ地方は、ご存知のとおりワインの生産地として有名。また、かの地をリヨンに向けて流れるソーヌ川には、かつての河川交通の要地として複数の運河が造られたことでも知られている。

この運河を「バルジ」と呼ばれる小型船に乗ってゆったり移動することができる。つまり船上から小さな町や村の風景を眺めつつ、古都ボーヌやワイナリーを訪ねることができるのだ。少なからず好奇心を刺激させられる話である。

バルジは、運河に造られた計39もの閘門を超えて行くことになる。その過程においては、水位が増していく閘門でエレベーターのように昇降する船を眺めたり、その間に村を散策するなど、さまざまな楽しみ方が可能だ。

多くの文化遺産が残されるディジョンをはじめ、ブルゴーニュのワイン街道、古都ボーヌなど、運河沿いには見所も多彩。ボーヌはローマ時代にまで歴史を遡ることができる由緒ある街で、コート・ドールはブルゴーニュワインの中心地。ブルゴーニュ公国の都がディジョンに移る前の首都でもあった。

ディジョンの街並み

つまり、バルジで行くブルゴーニュの運河の旅は、かつての繁栄の跡が残る古都から小さな村々まで、この地方ならではのさまざまな表情を確認することができるのである。

バルジの最大のポイントは、小型船ならではの快適性だ。キャビン数は10室程度なので、必然的に乗客とスタッフとの距離は縮まる。たとえば食事の量も食べ具合を見ながら調節してくれるなど、きめ細かく、それでいてさりげないサービスを受けることができる。

美食の国として知られるフランスの船なので、当然のことながら食事のクオリティも申し分ない。夕食は満足感の高いコースメニューで、魚から肉までがバランスよくサーブされ、ワインの種類も豊富。土地のさまざまなチーズのサービスもあるため、ブルゴーニュの魅力を満喫できる。

ガラスの仕切りがついたシャワーブースや、ゆったりくつろげるサンデッキやラウンジが付いた船もある。景色を眺めながら会話に花を咲かせたり、読書を楽しんでみたりと、自宅のリビングのような感覚で贅沢な空間を楽しめる。

「バルジ」を使ったクルーズツアーを企画しているワールド航空サービスの萩原雄太さんは、この船旅の魅力について、「ブルゴーニュ運河の船旅の特徴は39を数える閘門ひとつひとつで下船できること。その両岸に遊歩道が整備されているので、船と併走するように、ウォーキングしたり、サイクリングを楽しめたりできるのが大きな魅力です」と語る。

小型船「バルジ」でのんびりと行くブルゴーニュ地方の運河クルーズ。一味違った優雅な欧州の旅を楽しめそうだ。

【参考ツアー】
陽春のブルゴーニュ 川と運河の船旅 – ワールド航空サービス

文/印南敦史
協力/ ワールド航空サービス(http://www.wastours.jp

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