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アルプスの古都「インスブルック」夏に長期滞在したくなる理由とは?

文/印南敦史

photo by Michela Simoncini via flickr

もうすぐ、ジメジメとした日本の暑い夏がやってくる。最高気温が更新されるたび、「日本の夏はもうこりごり」と感じる方も多いのではないだろうか。だとしたら、本当に海外に出てしまうという選択肢もある。

日本との気候の差を実感したいのであれば、一番のおすすめはヨーロッパでの長期滞在である。なかでも注目すべきは、オーストリア西部チロル州の州都インスブルックという町だ。

インスブルックへのツアーを企画しているワールド航空サービスの営業担当部長、酒井康行さんによれば、旅行客の再訪率も高いという。

「私どもがインスブルックへの長期滞在の旅を手がけて、今年で8年目となります。開始当時は前例がない企画で、果たしてお客様にどこまで受け入れられるのかという思いもありましたが、杞憂に終わりました。8日間、10日間、16日間、30日間の期間を用意したのですが、思いのほか、16日間あるいは30日間の滞在をお選びになった方が多かったのです。以来、夏の風物詩的にご案内していますが、リピートして参加される方が、4割ほどもいらっしゃいます」

果たしてシニアな旅行者を引きつけてやまない「長期滞在したくなる街」インスブルックの魅力とはどこにあるのだろうか?

ハプスブルク家が遺した歴史と文化の街

北にドイツのミュンヘン、南にイタリアのボルツァーノというロケーションに位置するインスブルックは、1964年と1976年に冬季オリンピックが開催された“ウィンタースポーツの街”として有名だが、夏はアルプス山麓の避暑地として観光客が集まる。

そもそもインスブルックは、14世紀からスイス領内に発祥するドイツ(アルザス)系貴族であるハプスブルク家の支配下に入った地。そのため奥深い歴史や文化を実感できる街でもある。

インスブルック マリア・テレジア通り (c)TVB Innsbruck / Christof Lakkend

歴史遺産も多いが、ぜひとも訪れたいのは旧市街に位置する「黄金の小屋根」と呼ばれるバルコニー。チロル公国を継承したマクシミリアン1世が1496年に完成させた建築物で、屋根に2657枚もの金の瓦が使用された、インスブルックのランドマークである。

黄金の小屋根

またインスブルック王宮教会では、マクシミリアン1世の生涯を表現した大理石のレリーフが美しい棺を見ることもできる。

ハイキングも魅力的だ。バスでプラクサマーからリューゼンスへ向かうルート、ケーブルカーでフンガーブルクまで登り、ルムの山小屋へ向かうコースなど、コースもいろいろある。

フンガーブルク駅 (c)TVB Innsbruck / Christof Lackner

それに加え、長期滞在者にはホテルのプールでのんびり過ごしたり、近郊のエッツタールにある「アクアドーム」という大自然のなかの温泉施設にある温水プールに出かけるという楽しみもある。

ハプスブルク家の伝統が食文化にも反映

長期滞在の魅力として、特に注目したいのは食文化。ハプスブルク王朝の多民族国家の都として、インスブルックにはウィーンを筆頭とするさまざまな食文化が融合して独自の発展を遂げた。

チロル地方の伝統的な郷土料理が味わえるだけでなく、また周囲を高い山に囲まれ、周辺に森や野原が広がっているため、秋になればジビエ料理を楽しむこともできる。

(c)TVB Innsbruck / Christof Lackner

ご紹介したように、インスブルックの魅力は多種多様。しかも長期滞在となれば、時間をかけてじっくりと楽めるだけに、より愛着がわくことだろう。

「インスブルックの良さは、やはり過ごしやすさにあります。コンパクトな旧市街はだいたい歩いて回れますし、まわりを山に囲まれて、川が流れて、すぐ近くに自然があって、夏も涼しい。治安がよく、清潔感があり、日本人の高齢者でも安心して歩けます。公共交通機関も整っており、万が一の際に安心してかかれる医療機関もあります。そして何より歴史があるハプスブルクの都であり、文化性も高く、食も洗練されています。これらの複合的なバランスのとれた魅力が、インスブルックにはあります」(ワールド航空サービス酒井さん)

日本の夏場のストレスフルな環境から解き放たれ、ヨーロッパの穴場的な避暑地で一夏を過ごすのはどうだろう。強いて喩えるなら、ちょうど軽井沢のような高原の街インスブルック。気がつけば第2の故郷と思うようになっている可能性は高い。

【参考ツアー】
※ アルプスの古都インスブルック 長期滞在の旅 – ワールド航空サービス

文/印南敦史
協力/ ワールド航空サービス(http://www.wastours.jp

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