それでも離婚はしない。「頑張るしかない」家族を続ける理由

絵里奈さんは義母との付き合いについて、比べられているという思いを消せなかったと振り返ります。

「義母とは一緒に料理をしたり、食事も2~3か月に1回のペースで主人も一緒にとるようにしていました。基本的に優しい人なのですが、私のことをやたらとほめる言葉を口にするのです。料理が上手や掃除をほめてくれたりということなのですが、誰かと比べられている気がずっとするのです。比べられる存在は、元奥さましかありませんよね。離婚理由は性格の不一致としか聞いていないので想像しかできませんが、義母もきっといいようには思っていなかったはずです。私と初めて会って結婚のご報告をした時に『家庭的な子で良かった』と言ったのですから」

そこから義母の顔色を伺うような毎日を今も送っていると言います。そんな関係だからこそ、“家族”という関係に疑問を持ってしまっているように見えます。

「何をすれば気に入ってもらえるのかわからないから、頑張るしかないんです。仲良くはしてもらっていますが、それを家族だと言えるかといえば、よくわかりません。私は自分の家族でさえもうほとんど連絡を取っていない状態ですから。

それに、二度と主人に義母の愚痴は言えないから、この思いは抱えるしかありません。主人は義母の味方なのですから。それに私は専業主婦で食べさせてもらっている状態なので、頑張るしかないと思っています」

頑張るしかないと言い続ける結婚生活はすでに10年目に突入。夫婦生活はうまくいっているのか、また離婚は考えていないのかを最後に聞いてみました。

「離婚する気持ちは一切ありません。ここしか居場所がないと思っていますし、浮気をされているわけでも、家にお金を入れてもらっていないなどもないのですから、夫婦生活はうまくはいっていると思います。義母とも連絡を取り合っているということは、うまくいっていると思っています」

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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