幸せな家族像はあるも、永遠は誓えない
康弘さんから出てくるのは2人目の義父の話ばかり。3人目との交流は何もなかったのでしょうか。
「一番下の弟を会わせるために連れて行ってはいました。でも、その頃には僕は高校生とか働き始めた後だったので、弟を預けて、迎えに行くような感じで、直接交流をとったことはありません。それに、弟はそこまで父親に懐いていなくて、それを感じとった義父は定期的に会うことを断ってきましたから。僕としてはそれで良かったと思っています。弟がどちらと仲良くしたらいいのか戸惑っているんだろうと感じる部分もあったから。僕ら家族が父親の分も愛情を注いであげれば問題ないと思っています」
現在は、一番下の弟も成人を迎え、妹は結婚して子どもがいます。2人の弟はまだ未婚とのことですが、康弘さんが結婚しないと決めた『守る』ことを今も続けているのはなぜなのでしょうか。
「そんな『守る』といった大それたものではないですが、今は弟たちというよりも、母親のことが大きいですかね。母親と2人目の義父は2人で食事に行ったりする関係にはなっていて、僕としては復縁を密かに願っているんですが、すっかり友人関係みたいですね。僕とも義父は定期的に会っていて、何でも話せる親友のような間柄になれています。やっと家族関係が落ち着いているという状態ですが、家族に何かあった時には、僕が一番に駆けつけてあげられるようにしておきたい。自分の家族がもしできたとして、どちらかを選ばないといけないような事態にはしておきたくないんです。大切なものを2つも守れるほど、器用じゃないですから」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。