自分の子どもが生まれてからも親離れ、子離れしない義家族
犬のことを巡って、妊娠の不安定な時期に義母とのバトルがスタート。そんな時に味方になってくれるはずの夫はただの傍観者だったとか。
「あの子(犬)は夫と2人で希望して我が家に迎えたんです。たしかに妊娠中の濃厚接触は危ないとされているかもしれませんが、それは私が気をつければいいこと。あの子を捨てることには絶対につながりません。それなら義母の家で預かってくれたらいいものの、義母は犬が嫌いなんですよ。それなら放っておいてくれ! って思いました。
それに、あんなに可愛がっていたのに、夫は義母の意見をただ聞くだけで反対も賛成もしない始末。『犬の世話は僕がするから』と、その一言があれば事態は丸く収まったのに……」
もちろん犬を飼い続け、無事第一子を出産。子どもと仲良く遊ぶ犬の様子を見て、義母を黙らすことができたと言い、夫婦関係もひとまず落ち着きます。しかし、第二子妊娠の時に夫との関係に亀裂の走る出来事があったそうです。
「第二子の妊娠では、一人目もまだ小さくて世話がかかるタイミングだったので、本当に毎日過ごすのは精一杯。私自身もその思い通りにいかないイライラを夫にぶつけてしまったという反省点もあります。でも、事なかれ主義の夫は私とのケンカを避けて、隣の実家でほぼ毎日過ごすようになったんです。義母は、『息子の面倒は任せて』と言ってきて、任されている使命感からなのか、いつも以上に張り切っていました。普通は私のことを心配して、夫のことを叱ってくれるような母親であってほしかったですね。夫の自分だけ良ければいいんだという考えにはほとほとガッカリしました」
美紀さんのサポートには実母がしてくれることになり、子どもと犬を連れて千葉に帰省。そのまま一度も修復することなく、出産後に話し合いの場を設けて、離婚することになったとのこと。
「生まれたばかりだった子どものことを思うと、申し訳ない気持ちにもなりますが、上の子が千葉に帰った時に、『ずっとここにいたい』と言ったので、それが決め手になりました。
あれから夫は1年に4回決められた時期にやってきて、子どもと過ごす時間を作っています。今は、わだかまりはありません。沖縄行きを反対していたら、違う未来があったのかもしれませんが、今は今で十分幸せですから」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。