笑いとユーモアを通して禅の教えをひろめた江戸時代の禅僧、仙厓(せんがい、1750-1837)の大規模な展覧会が、東京の出光美術館で開催されています。(~11月13日まで)
仙厓が描いた作品や遺愛の品々は、住持を務めた聖福寺や、隠居所であった虚白院のある幻住庵(いずれも福岡・博多)に数多く伝わっていますが、それら以外では出光美術館のコレクション、仙厓ゆかりの地である福岡市美術館コレクション、そして九州大学文学部コレクション(中山森彦旧蔵)が、質量ともに優れている三大コレクションとして知られています。
出光美術館の開館50周年を記念した本展では、その出光コレクションの作品に、福岡市美術館と九州大学文学部のコレクション作品をあわせて展示し、仙厓の表現世界と禅の心を広く紹介しています。
本展の見どころを、出光美術館学芸課長代理の八波浩一さんにうかがいました。
「禅僧仙厓といえば、ユーモアあふれる画に、心に響くメッセージがちりばめられた作品で知られています。代表的な禅画はもちろん、さらに極めたい人には、仙厓最大の謎を秘めた作品、『〇△□』を解き明かすコーナーがおすすめです。
さらには、美術系ムック本などで注目を集めている“かわいい”禅画も大集結させ、盛り沢山の内容で構成しました。
東西の三大仙厓コレクションが30年ぶりに揃う、まさに“大”仙厓展です。皆さんそれぞれの“仙厓さん”に出会ってみてください」
東京では初公開となる珍しい着色画「章魚(たこ)図」も出品されます。会場でお楽しみください。
【開館50周年記念 大仙厓展 禅の心、ここに集う】
■会期/2016年10月1日(土)~11月13日(日)
■会場/出光美術館
■住所/東京都千代田区丸の内3-1-1帝劇ビル9階
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1000円 高・大生700円 ※中学生以下無料(要保護者同伴)、20名以上の団体は各200円引、障がい者手帳所持者は200円引・その介護者1名は無料
■開館時間/10時から17時まで、金曜日は19時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし10月10日は開館)
■アクセス/JR有楽町駅国際フォーラム口より徒歩約5分、東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営三田線日比谷駅B3出口より徒歩約3分、東京メトロ日比谷線・千代田線日比谷駅より有楽町線方面地下連絡通路経由でB3出口より徒歩約3分
※10月22日~30日の期間、東京駅周辺の4館(出光美術館、三井記念美術館、三菱一号館美術館、東京ステーションギャラリー)で「EDO TOKYO NIPPONアートフェス2016」を開催。期間中は18時まで、27日(木)、28日(金)
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」