岩佐又兵衛をはじめとする江戸期の「源氏絵」の名品が一堂に会する展覧会が、東京・丸の内の出光美術館で開催されています。(~2月5日まで)
桃山時代から江戸時代初めに活躍した画家・岩佐又兵衛(1578-1650)。実感豊かな風俗画や絢爛豪華な絵巻群のほか、又兵衛はあらゆるテーマに貪欲に挑戦しましたが、軸足は常に「古典」にありました。
本展では、古典中の古典である『源氏物語』を描いた絵画(源氏絵)に注目し、又兵衛芸術に通底する優雅にして凄愴な魅力に迫ります。
また、同時代の画家で、当時の源氏絵を強力にリードした土佐光吉の傑作「源氏物語画帖」はじめ、江戸時代の画家たちが取り組んだ源氏絵も併せて紹介します。
本展の見どころを、出光美術館・担当学芸員の廣海伸彦さんにうかがいました。
「岩佐又兵衛は、生涯を通してさまざまな画題を手がけましたが、なかでも源氏絵はもっとも力を注いだテーマのひとつでした。
いわゆる“奇想の画家”のひとりである又兵衛が描く源氏絵ですから、ただの源氏絵ではありません。土佐派の画家などが手がけてきた伝統的な源氏絵からは大きく異なる又兵衛の源氏絵には、時間的には遠く隔たった古典の世界を「いま」へと引き寄せようとする意欲に満ちています。
又兵衛の独創的な源氏絵の数々に触れる機会です。ぜひお見逃しなく」
屏風、掛軸、画帖、冊子など、表現形式も多彩な一大源氏絵展です。ぜひ足をお運びください。
【開館50周年記念 岩佐又兵衛と源氏絵-<古典>への挑戦】
■会期/2017年1月8日(日)~2月5日(日)
■会場/出光美術館
■住所/東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
■電話番号/03・5777・8600(ハローダイヤル)
■料金/一般1000円 高大生700円 ※中学生以下無料(要保護者同伴)、団体20名以上は各200円引、障がい者手帳所持者は200円引・その介護者1名は無料
■開館時間/10時から17時まで、金曜日は19時まで(入館は閉館30分前まで)
■休館日/月曜日(ただし1月9日は開館)
■アクセス/JR有楽町駅国際フォーラム口より徒歩約5分、東京メトロ有楽町線有楽町駅・都営三田線日比谷駅B3出口より徒歩約3分、東京メトロ日比谷線・千代田線日比谷駅より有楽町線方面地下通路経由B3出口より徒歩約3分
取材・文/池田充枝
1989年「サライ」