長谷川等伯「竹鶴図屏風」(左隻)〔桃山時代 出光美術館蔵〕

長谷川等伯『竹鶴図屏風』(左隻)〔桃山時代 出光美術館蔵〕

2016年の春に開館50年目を迎えた出光美術館(東京・千代田区)は、記念企画として所蔵の絵画作品より国宝・重要文化財を中心とした優品を、「美の祝典」と題して「やまと絵の四季」「水墨の壮美」「江戸絵画の華やぎ」の3部構成で一挙大公開しています。

本展は、3部構成のうちの第2部で、余白に響き渡る清閑で幻想的な情趣の「水墨画」に焦点を当てています。中国・南宋時代の禅僧で画家の牧谿(もっけい)や画僧の玉澗(ぎょくかん)をはじめ、雪舟、長谷川等伯、池大雅(いけのたいが)、与謝蕪村など、画家たちが憧れた理想の世界が広がります。

国宝「伴大納言絵巻 中巻」〔平安時代 出光美術館蔵〕

国宝『伴大納言絵巻  中巻』〔平安時代 出光美術館蔵〕

また、三期にわたって上・中・下巻を公開する『伴大納言絵巻』は、『源氏物語絵巻』『信貴山縁起絵巻(しぎさんえんぎえまき)』『鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)』とともに日本四大絵巻(いずれも国宝)と称される傑作で、本展では「中巻」を特別展示します。

本展の見どころを、出光美術館・学芸課長の笠嶋忠幸さんにうかがいました。

「美術館の使命において重要な柱である文化財修復。今回の展覧会『美の祝典』では、本格修復を経てよみがえった6作品のお披露目が見どころのひとつです。第2部では、中国の水墨画における屈指の優品である玉澗筆『山市晴嵐図(さんしせいらんず)』と、牧谿筆『叭々鳥図(ははちょうず)』を修復後初公開。とくに前者は、これまで謎とされていた表具の方法も解明しました。本展では、こうした未発表の貴重な情報をご紹介します。国宝の『伴大納言絵巻』をはじめとする絵画の名品をご堪能いただける華やかな会場を、どうぞお楽しみください」

各時代の日本を代表する水墨画が鑑賞できる本展に足を運んでみてはいかがでしょう。

【美の祝典Ⅱ 水墨の壮美】
会場/出光美術館
会期/2016年5月13日(金)~6月12日(日)
住所/東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
電話番号/03-5777-8600(ハローダイヤル)
料金/一般1000円 大高生700円 ※中学生以下無料(要保護者同伴)、20名以上の団体は200円引、障がい者手帳所持者は200円引・その介護者1名は無料
開館時間/10時から18時まで(入館は17時30分まで)
休館日/月曜
アクセス/JR有楽町駅国際フォーラム口より徒歩約5分、東京メトロ有楽町線有楽町駅及び都営三田線日比谷駅B3出口より徒歩約3分、東京メトロ日比谷線・千代田線日比谷駅より有楽町線方面地下通路経由でB3出口より徒歩約3分
出光美術館公式サイトはこちら

 

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