新着記事

大音楽家バーンスタインの破天荒でカラフルな祈りの音楽を聴く【林田直樹の音盤ナビ】

選評/林田直樹(音楽ジャーナリスト)今年はレナード・バーンスタインの生誕100年である。20…

江戸城4代天守はなぜ再建されなかったのか|幻となった不遇の城をCGで再現

家綱の叔父・保科正之が天守無用論を唱えて中止3代将軍家光が没し、嫡男家綱…

純銀製の玉盃|酒を注ぐと球体の中に餅つきうさぎが浮かぶ盃

酒を注ぐと銀盃の真ん中に、レンズのような「玉」が浮かび上がる。玉の中には、餅つきをするうさぎ…

腰痛改善は「お尻」の筋肉から!簡単ストレッチを紹介【川口陽海の腰痛改善教室 第1回】

文/川口陽海人生で誰もが一度は悩まされるという腰痛。もしあなたがなかなか治ら…

缶詰そのままはもう古い|「サバ缶」ブームを支える新しい食べ方

サバの缶詰、通称「サバ缶」の人気がすごい。2年ほど前からサバの人気が高まり始め、同時に手軽で安く…

知れば知るほど奥が深い。今輝く、神秘の国・ミャンマーを訪ねる【3】インレー湖

取材・文/関屋淳子インドシナ半島西部、タイ、ラオス、中国、インド、バングラデシュと国境を接するミ…

籐の脱衣カゴ|ベテラン職人が銭湯向けに編み上げた軽くて丈夫なカゴ

どこか懐かしい銭湯の脱衣カゴをご紹介。この道60年の籐工芸士・尾崎英幸さん(東京都豊島区)が…

牧野伸顕――大久保利通と吉田茂をつなぐ、忘れられた大政治家【にっぽん歴史夜話 8】

文/砂原浩太朗(小説家)牧野伸顕(まきの・のぶあき 1861~1949)と聞いてすぐ…

医学部教授が考案!長生きするための簡単みそレシピ3選

文/鈴木拓也自律神経と腸の研究者として知られ、日本初の便秘外来を立ち上げた順天堂大学…

クラフト・ジンによく合う本場スコットランドのつまみ5選

文・写真/石橋貴子(スコットランド在住ライター/海外書き人クラブ)スコットランドでは近年、手…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

催し物

悠々自適で88歳まで生きた「老後の達人」 仙厓。晩年期の作品に注目した展示が開催

取材・文/池田充枝

仙厓義梵筆「指月布袋画賛」江戸時代 出光美術館蔵

 

「老後の達人」として悠々自適の晩年を送った仙厓。今、彼の晩年期の作品に注目した展覧会が開かれています。

ユーモアあふれる「禅画」で知られる禅僧・仙厓(1750-1837)。人生50年といわれた江戸時代に数えの88歳、米寿の祝いの年まで生きた仙厓は、博多の聖福寺の住持を務めたのち、寺の境内にあった虚白院(きょはくいん)という隠居所で隠棲生活を送りました。

仙厓が隠棲したのは還暦を優に超えてからのことで、現在伝わっている作品のほとんどは、この虚白院ですごした四半世紀の間に制作されたものでした。

隠居所の仙厓は「ご隠居さん」として悠々自適の生活を送りました。毎年のように名所旧跡・神社仏閣への旅行や参詣、地元博多の祭りや催し物見物を行い、珍奇石や古器物の蒐集、さらには茶をたのしみ、書画や詩作・詠歌・句作などにいそしむ毎日でした。また、知人や友人、地元の人々との心温まる交流を大切にした、まさに「老後の達人」です。

斉藤秋圃筆 仙厓義梵他賛「涅槃図」江戸時代 出光美術館蔵

本展では、仙厓晩年の作品のなかに老後の極意を読み解くとともに、草稿集「書画巻」と完成作品との比較から判明した画賛制作の秘密、さらに人々との交流から生み出された傑作「涅槃図」など、仙厓が残した作品群の意味を問います。また、仙厓の代表作とともに、江戸時代の博多の風俗や九州の風景を活写した作品も併せて展観します。

仙厓義梵筆「猿猴捉月画賛」江戸時代 出光美術館蔵

本展の見どころを、出光美術館の学芸課長代理、八波浩一さんにうかがいました。

「江戸時代後期の博多で活躍した禅僧の仙厓。聖福寺住持時代には法要や伽藍再興、弟子の育成に忙しい毎日を送っていましたが、還暦を過ぎて、住持職を引退してからの25年にも及ぶ隠棲期に、2千点とも、それ以上とも言われる画賛を描き、墨跡をしたためたと言われます。

本展のいちばんの見どころは、当時としては大変な長寿と考えられる、その人生の折々に感じた思いをまとめた作品群を紹介するコーナーです。「老人六歌仙画賛」をはじめとする画賛類には、「天から授かった命をいかに生き、楽しく実りあるものとするか」というテーマがユーモアをまじえて描かれています。それぞれの作品に示された仙厓の前向きな人生観を、まずご覧になっていただきたいと思います。

仙厓義梵筆「老人六歌仙画賛」江戸時代 出光美術館蔵

そのほか、もちろんお馴染みの「指月布袋画賛」や「〇△□」など、仙厓画傑作選のコーナーも設けています。思い切り自由を楽しむことができる隠居生活を始めたものの、やはり弟子たちのことや、禅の行く末が気になったのでしょう。禅を盛り立てていって欲しい、禅の理解を深めて欲しいと思う仙厓の気持ちは、いくつもの禅画を生み出しました。また、庶民とふれあう機会が増えると、彼らの生活がより一層充実するようにとの願いをこめた画賛類も描くようになりました。

友人(もちろん老人)たちと楽しく、充実した晩年を生き抜いた「老後の達人」である仙厓。その生き方は、高齢化社会をむかえた現代の私たちにも多くを教えてくれます。

仙厓のあたたかいメッセージが込められた作品の数々を、どうぞお楽しみください」

仙厓義梵筆「〇△□」江戸時代 出光美術館蔵

我々もかくありたいと思わせてくれる展覧会です。ぜひ会場に足をお運びください。

【開催要項】
仙厓礼讃
会期:2018年9月15日(土)~10月28日(日)
会場:出光美術館
住所:東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
電話番号:03・5777・8600(ハローダイヤル)
http://idemitsu-museum.or.jp
開館時間:10時から17時まで、金曜日は19時まで(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(ただし9月17日・24日、10月8日は開館)

取材・文/池田充枝

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 歌麿、写楽、江戸後期浮世絵ブームの立役者の作品が一望できる、大満…
  2. 国民的画家、東山魁夷の大回顧展【生誕110年 東山魁夷】
  3. “おみやげ”は日本特有の文化!深い世界に迫る「ニッポンおみやげ博…
  4. とっても「いたそう」な絵も。激動の時代を生きた鬼才浮世絵師、芳年…
  5. 大人も楽しめる「字のない絵本」92歳にして現役の絵本作家、安野光…
PAGE TOP