新着記事

【ビジネスの極意】社長がトッププレイヤーであってはいけない理由

【ビジネスの極意】社長がトッププレイヤーであってはいけない理由

スカイポイントからゴールドコーストを一望

ブリスベンとゴールドコースト、そしてウルルを巡る旅【ゴールドコースト編】

危険なドライバーの行為

愛犬を乗せて運転する人の危険な行為【彩りカーライフ~自分の人生をかろやかに走ろう~】

「令和」の宴をともにした二人の万葉歌人~大伴旅人と山上憶良にっぽん歴史夜話16】

「令和」の宴をともにした二人の万葉歌人~大伴旅人と山上憶良【にっぽん歴史夜話16】

秦始皇兵馬俑博物館に立つ始皇帝像(秦始皇彫像)

始皇帝の「キングダム」への想いを偲ぶ|「世界三大墳墓」秦始皇帝陵を囲む城壁跡を歩く(西安)

多彩な情報が詰まった焼酎の魅力が伝わる入門書|『本格焼酎マニアックBOOK』

焼酎について、どれぐらいのことを知っていますか?|『本格焼酎マニアックBOOK』

【娘のきもち】比べられることを嫌い、妹とは絶縁状態に。2人を再び結び付けてくれたのは家族の危機だった~その2~

【娘のきもち】比べられることを嫌い、妹とは絶縁状態に。2人を再び結び付けたのは家族の危機だった~その2~

【娘のきもち】家族仲はよくていつでもみんな一緒だった。でも、「双子のかわいくないほう」と周りから呼ばれるようになって~その1~

【娘のきもち】家族仲は良く、いつでもみんな一緒だった。でも、「双子のかわいくないほう」と周りから呼ばれるようになって……~その1~

榎本武揚ら旧幕府軍が拠点とした五稜郭

戊辰戦争は「近代的な新政府軍vs古臭い旧幕府軍」ではなかった!【検証 「徳川近代」 原田伊織氏インタビュー4】

重文「無学祖元坐像」鎌倉時代 円覚寺

師の息遣いをも伝える、頂相(ちんそう)彫刻に注目! 【円覚寺の至宝 鎌倉禅林の美】展

LINE公式アカウントでも記事を配信中

友だち追加

お気軽に友達追加してください

サライ本誌最新号

シニア住宅特集アンケート実施中です!

別冊付録「大人の逸品カタログ」商品はこちらから

ピックアップ記事

  1. オリックス・リビング社長、森川悦明氏。「グッドタイム リビング センター南」にて撮影。

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

ジャズの「アドリブ」とは何か?【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道5】

文/池上信次

第5回ジャズマンはなぜみんな同じ曲を演奏するのか?(3)~「アドリブ」とは何か

ジャズマンはなぜみんな同じ曲を演奏するのか?(3)|「アドリブ」とは何か【ジャズを聴く技術 〜ジャズ「プロ・リスナー」への道5】

前々回の「枯葉」楽曲紹介の最後で、それを作曲したジョゼフ・コズマの楽曲はたくさんあるのになぜ「枯葉」だけがジャズで取り上げられるのかを前回で説明すると予告しましたが、前回はその前ふり的な説明で終わってしまいました。今回はその続きです。

前回までに、スタンダード曲はジャズマンの「土俵」であり「共通言語」と説明しましたが、スタンダードになった曲を見ると、そこにはいくつかの条件があります。まず何のための土俵であり言語かというと、ジャズという音楽の特徴である「個性表現」のためですが、それはおもに「アドリブ=即興演奏」によって行われます。ジャズ・ヴォーカルの場合は少し違う観点での表現になりますが、ここではまず、モダン・ジャズの中心編成といえるコンボでのインスト演奏について説明していきます。

ジャズ・コンボの演奏は、最初に楽曲の「テーマ」があり、それに続いて「アドリブ」、そして最後にまた「テーマ」を演奏して終わるのが一般的な構成です。テーマはその楽曲のメロディを演奏することで、「枯葉」なら「枯葉よー」で始まるよく知られた32小節のメロディとなります。そしてテーマのあと、曲はアドリブのパートに入ります。前々回で紹介したキャノンボール・アダレイ(アルト・サックス)の演奏でいうと、長いイントロのあと、マイルス・デイヴィス(トランペット)がテーマを吹き、それが終わるとキャノンボールのアドリブ演奏(アドリブ・ソロ、またはたんにソロといいます)になります。そしてマイルスのソロ、ピアノのハンク・ジョーンズのソロと続きます。そのあと、ふたたびマイルスがテーマ(「枯葉よー」のメロディ)を吹いて、イントロと同じパタンのアウトロ(後奏)になって終わります。

このアドリブ・パートの部分ですが、バックの演奏は「枯葉よー」と同じ構成(テンポやコード)で進行するのが一般的です。つまり、ジャズのアドリブというのは、クラシックでいうところの「変奏曲」なのです。ここでは「『枯葉』の主題による変奏曲」ですね。それをジャズマンは「その場で=即興」作曲、演奏しているのです。

ただし、それは閃きでやっているわけでありません(そういう場合もあるでしょうが)。アドリブのための手法はいくつも存在します。これはジャズマンにとって、もっとも基本的で大切な技術といえるものです。そのもとになるのが、テーマの「コード進行」です。楽器演奏に馴染みのない方にはわかりにくいかもしれませんが、簡単にいえば、「テーマの伴奏」のパターンというところです。この、コード進行という枠組みをもとにして、そこから外れない形でジャズマンは「自分だけのフレーズ=個性表現」を即興で作り出して演奏するのです。

ここで最初の設問に戻ります。なぜ「枯葉」なのか。その答えは、極論すればアドリブがしやすいから。コード進行に基づいたアドリブ手法は、現在では高度に理論化されていますが、「枯葉」はさまざまなバリエーションのアプローチを可能にするコード進行のパターン、いわば格好の「アドリブの素材」をもっているのです。

そもそもジャズマンがこうした楽曲を(とくにインストで)取り上げて演奏する理由は、ジャズとして演奏しやすい、アドリブの素材として優れているということが重要なのです。「枯葉」は、もともとシャンソンの歌詞付きの曲として作られていますので、当然ながらこれに乗ってアドリブするなどということは考えられていません。「名曲」であることも大事ですが、ジャズマンは、「枯葉」がもつその要素を発見し、取り上げたのです。ジョゼフ・コズマ作曲の他の曲は、名曲であってもアドリブの素材としての要素が乏しかったということなのです。

では、アドリブのためにはテーマは関係ないのではないか、と気がついたあなたはじつに鋭い。それを実践したジャズマンもたくさんいます。

1940年代から50年代前半に活躍したチャーリー・パーカー(アルト・サックス)は、徹底的にアドリブ表現を追求しました。パーカーの活動によって、「モダン・ジャズ=アドリブ命」という認識が生まれたといっても過言ではないほどの影響を残したジャズの偉人です。パーカーの演奏もほとんどは「テーマ→アドリブ→テーマ」という構成をとりますが、パーカーにとってテーマのメロディは有って無いようなもの。極端なものは、テーマがありません。たとえば、パーカーは「オール・ザ・シングス・ユー・アー」というジェローム・カーン作曲のスタンダード曲を録音していますが、テイク(録音し直し)を重ねていく際に、テーマを省略してしまいました。そもそもアドリブを聴かせることが最大の目的なので、コード進行さえあればテーマはなくてもよかったということなのですね。もちろんテーマの演奏も大きな個性表現の場であり、だからこそみな演奏するわけですが、テーマを演奏しないのもパーカーの個性表現のひとつということなのです。

チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル vol.2

『チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル vol.2』(ダイアル)

演奏:チャーリー・パーカー(アルト・サックス)、マイルス・デイヴィス(トランペット)、デューク・ジョーダン(ピアノ)、トミー・ポッター(ベース)、マックス・ローチ(ドラムス)
録音:1947年10月28日

チャーリー・パーカーのダイアル・レコードでのベスト盤。ここに収録されている「バード・オブ・パラダイス」は「オール・ザ・シングス・ユー・アー」のテーマなしヴァージョン。完全盤セットでは、最初に演奏した「オール・ザ〜」や「バード〜」の別テイクも聴けます。すべてイントロとコード進行は同じですが、まるで違う「曲」になっています。

文/池上信次
フリーランス編集者・ライター。専門はジャズ。近年携わった雑誌・書籍は、『後藤雅洋監修/隔週刊CDつきマガジン「ジャズ100年」シリーズ』(小学館)、『村井康司著/あなたの聴き方を変えるジャズ史』、『小川隆夫著/ジャズ超名盤研究2』(ともにシンコーミュージックエンタテイメント)、『チャーリー・パーカー〜モダン・ジャズの創造主』(河出書房新社ムック)など。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 『チャーリー・パーカー・オン・ダイアル完全盤』(ダイアル) マイケル・ジャクソンも歌ったジャズ名曲「オール・ザ・シングス・ユ…
  2. (1)ヘレン・メリル『ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン』(エマーシー) クインシー・ジョーンズが掘りおこした名曲「ユード・ビー・ソー・ナ…
  3. ジョン・スコフィールド ジャズ界の最前線で活躍し続けるギタリスト、ジョン・スコフィールド…
  4. 「スタンダード」という「共通言語」 スタンダード曲はジャズマンの共通言語である【ジャズを聴く技術 〜…
  5. キャノンボール・アダレイ『サムシン・エルス』 フランスの有名曲「枯葉」がジャズのスタンダードになるまで|【ジャ…
PAGE TOP