井伊直虎から直政へ!大河ドラマで話題の「井伊家」の足跡を辿る特別展

豊田市指定文化財「長久手合戦図屏風(浦野家旧蔵)」〔江戸時代 豊田市郷土資料館蔵〕

取材・文/池田充枝

放映中のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で注目されている、遠江井伊谷(とおとうみいいのや)の井伊家は、中世に約500年間、井伊谷の庄を本貫(本籍地)として治めました。戦国時代に今川家が遠江の守護職につくと、その支配下におかれましたが、そうした時代に生まれたのが井伊直虎です。

直虎の父・井伊直盛には男子が生まれなかったため、一族の直親(なおちか)を婿養子に迎える予定でしたが、直親の父が今川義元への謀反を疑われて自害、直親も遠江から逃れます。

永禄3年(1560)、桶狭間の戦いで、直盛をはじめ井伊氏の重臣たちは今川軍に従軍します。しかし直盛をはじめ多くの家臣が討死。その後、帰還した直親が当主となりますが、今川家に謀反の疑いをかけられ、直親も殺害されました。残されたのは、幼い直親の息子(のちの直政)のみでした。そのため一族の直虎が支えながら、井伊氏の存続に尽力しました。

成長した直政は、後世に「徳川四天王」のひとりに称されるほど家康の天下統一に尽力し、上野国高崎藩の初代藩主、のちに近江国彦根藩の初代藩主に取り立てられました。

直政以降、井伊家は江戸幕府の譜代大名筆頭の家柄として、たびたび江戸幕府の要職についています。なかでも、幕末期に大老の座についた井伊直弼(なおすけ)は、幕末の難局に立ち向かった人物として、歴史上に名を残しました。

そんな戦乱の世を駆け抜けた井伊家の足跡を辿る展覧会が、東京の江戸東京博物館で開かれています(~2017年8月6日まで)。

井伊直虎の波乱に満ちた生涯を軸に、井伊家が戦国の乱世をどう生き延びたか、同時代の戦国武将や周辺の人物を通して検証します。また、井伊直政が彦根藩井伊家を創設するまでの道程を、貴重な美術品・古文書などで紹介します。

「井伊直虎関口氏経連署状」〔永禄11年(1568)蜂前神社・浜松市博物館保管〕

本展の見どころを、東京都江戸東京博物館、事業企画課の杉山哲司さんにうかがいました。

「江戸時代、井伊家は彦根30万石の譜代筆頭の大名で、幕末に大老として難局に立ち向かった井伊直弼は、ご存知の方も多いでしょう。しかし、戦国時代の井伊氏は苦難の連続でした。

本展覧会では、井伊直虎が危機に瀕した一族を守り、のちに徳川四天王の一人と称された直政が彦根藩井伊家の礎を築いた歴史をひも解きます。

「青葉の笛」〔戦国時代 寺野六所神社蔵〕

今回は、井伊家ゆかりの作品が一堂に会します。なかでも井伊直親ゆかりの笛である「青葉の笛」(寺野六所神社蔵)は、神社外初公開の作品です。また「井伊直虎・関口氏経連署状」(蜂前神社蔵 浜松市博物館保管)は、「直虎」の花押が入った唯一の書状です。

そのほか、直虎と同時代に生きた戦国大名や徳川四天王ゆかりの品々も多数展示いたします。徳川四天王の一人、本多忠勝の具足は東京会場限定の展示です」

『おんな城主 直虎』のファンなら必訪の展覧会。会期が30日と短くなっていますので、ぜひお見逃しなく! なお本展は、静岡県立美術館(8月14日~10月12日)、彦根城博物館(10月21日~11月28日)に巡回されます。

名称 2017年NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」特別展 戦国!井伊直虎から直政へ
会期 2017年7月4日(火)~8月6日(日)
会場 東京都江戸東京博物館 1階特別展示室
住所 東京都墨田区横網1-4-1
電話 03・3626・9974(代表)
Web http://www.nhk-p.co.jp/event/(展覧会サイト)

http://edo-tokyo-museum.or.jp(博物館サイト)

開館 9時30分から17時30分まで、土曜日は19時30分まで、7月21日(金)、28日(金)、8月4日(金)は21時まで(入館は閉館30分前まで)
休館日 7月10日(月)、18日(火)、24日(月)、31日(月)

取材・文/池田充枝

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