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古今の作家の「猫への愛」を堪能できる一冊 !『猫なんて!作家と猫をめぐる47話』

Closeup of ginger cat lying on old book near spectacles on background with books

文/鈴木拓也

試しに[猫 ブログ]でネット検索すると、ひたすら飼い猫のことをつづった愛猫家によるブログが、何万と出てくる。そんなブログ主の猫可愛がりようを読んでいると、時にはにんまりし、時にはジェラシーめいたものを感じるが、今回紹介する書籍『猫なんて!―作家と猫をめぐる47話』(キノブックス)に収められたエッセイは、そうしたブログとは調子がかなり異なる。

本書は、昭和から平成にかけて活躍した(している)作家47人による、猫をテーマにしたアンソロジーであるが、“ひたすら可愛い”的な、猫の親バカぶりを前面に押し出したものは少ない。

収録された文章には、猫を飼い始めたことによる作家自身や家族の心境・生活の変化を綴ったものもあれば、野良猫の観察日記みたいなものもある。さらに「なぜ作家は猫を好むのか?」という心理学的な考察から、哲学・形而上学的な話まで、猫にまつわる多彩な内容となっている。いずれもその作家らしい一捻りがあり、読んで飽きない。

いくつか例を挙げてみよう。

谷崎潤一郎の『客ぎらひ 抄』では、眠気を催している猫に声をかけると、鳴くのが面倒くさいのか、尻尾を振って返事をするという観察から、「私にも尻尾があったらなあ。そうすれば、来客の応対が苦手な私は、いちいち相槌を打つ代わりに、尻尾を振って済ませることができるから」という谷崎のホンネの述懐につながる。

浅田次郎の『小説家がペットと暮らす理由』では、古今東西の小説家が動物好きである理由が、こんこんと説明される。とくになぜ猫が好きかと言えば、「家族の寝静まった深夜、小説家は佳境に入る。電話も来ず、来客もなく、ただひたすら物語を刻み続ける。孤独である」からで、そんなときは猫とじゃれ合ったり、「話し相手」になってもらったりして、自らを慰めることができるとする。

8ページの短編漫画『猫』(水木しげる)は、拾ってきた2匹の猫と作者が人間の言葉で対話するという趣向。日がな一日ぐうたらしている猫を見かねた作者が、自分がどれほど懸命に働いているかをアピールするのに対し、猫は「死ぬ時あの世に持ってゆけるわけでもなし、ほんのその時だけの楽しみだ」などと言われ、人生論的な問答となる。

このほか、『盲目的なペット愛を見ると発狂しそうになる』(安西水丸)のように、猫嫌いの筆になる作品もあれば、『猫はなぜ二次元に対抗できる唯一の三次元なのか』(斎藤環)でツンデレ・萌え論を展開する小論もある。『サライ.jp』の「幸田家に息づく猫にまつわることば3つ」でご紹介した幸田文の随筆も収載されている。

例外もあるとはいえ、各作品に通底するのは、猫にたいする作者の愛だろう。だから読後感は、ほんのりと心が温まるようで、心なしかそばに猫がいるのかと思うほどである。すべての猫好きに薦めたい、秀逸な猫アンソロジーである。

【今日の一冊】
『猫なんて! 作家と猫をめぐる47話
(キノブックス編集部編、キノブックス)
https://honto.jp/netstore/pd-book_28198660.html

文/鈴木拓也
2016年に札幌の翻訳会社役員を退任後、函館へ移住しフリーライター兼翻訳者となる。江戸時代の随筆と現代ミステリ小説をこよなく愛する、健康オタクにして旅好き。

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