ひよひよとぴよぴよ
I:さて、臨月を迎えた中宮定子ですが、清少納言(演・ファーストサマーウイカ)が執筆する『枕草子』に夢中になっている様子が今週も描かれました。中宮定子が口語訳を読むという演出でした。印象的だったのは、雛の鳴き声が、『枕草子』の原文では「ひよひよ」になっていること。いつ「ぴよぴよ」になったのでしょう。
A:昔は濁音や半濁音は記さなかったので、「び」でも「ひ」でも「ひ」と書いたんじゃないですかね。この「うつくしきもの」の章段は、『枕草子』の中でも特に素晴らしいと常々思っています。「うつくしきもの」は現代的な意味での「美しい物」ではなく、「かわいらしいもの」のことですね。
I:このやりとりの流れで、最初に中宮定子の元に出仕した時のことを回想します。あの頃は良かったですよね、という思い出を、日々、中宮定子を慰めるために書き綴っていたわけですね。やっぱり、その章段を読みたくなりますよね……。そして定子は、脩子内親王を出産します。一条天皇は「絹をたくさん送ってやれ」と。私は、賢い一条天皇に利用されるなと道長から諭された行成(演・渡辺大知)が、「中宮に会いたい」という一条天皇をスルーした時の表情がなんともいえなかったです。
【一条天皇への不満を皇太子に語らせる。次ページに続きます】