詮子、定子、一条天皇…嫁と姑のバトル勃発!?「平安の渡鬼」展開でどうなる道長の出世問題【光る君へ 満喫リポート】13

ライターＩ（以下Ｉ）：物語は寛和の変から４年経過しました。永祚２年（990）ということですが、「永祚」という年号があったことを初めて知りました。

編集者Ａ（以下Ａ）：冒頭、公卿たちが会合をしている場面は、摂政の藤原兼家（演・段田安則）を筆頭に源雅信（演・益岡徹＝道長の舅）、藤原為光（演・阪田マサノブ＝兼家の弟）、と兼家の３人の息子、道隆（演・井浦新）、道兼（演・玉置玲央）、道長（演・柄本佑）、そして源雅信の弟重信（演・鈴木隆仁）、藤原顕光（演・宮川一朗太＝兼家の兄兼通の息子）、藤原公季（演・米村拓彰＝兼家の弟）とほぼ親戚状態です。

Ｉ：参加していたもうひとりの公卿、藤原実資（演・秋山竜次）は、兼家との関係性が離れているようですが、系譜上は道長と実資は「はとこ」なんですよね。

Ａ：ここで集った人物は現代でいえば、「閣僚」のようなものですが、兼家の孫である一条天皇（演・柊木陽太）を筆頭にして極めて近い人物で固められているのがわかります。評論家八幡和郎氏の『日本の政治「解体新書」』（小学館新書）の受け売りですが、今日の岸田文雄政権でも、首相と鈴木俊一財務相、宮澤洋一自民党税制調査会会長、実力者の麻生太郎氏など華麗なる閨閥で結ばれる「親戚」ですから、近しい人で固めたいという願望は1000年経っても変わらないということでしょう。

【道隆一家の絶頂描写にはめ込まれた爆弾。次ページに続きます】