東京付近パノラマ地図(大正11年(1922))

「金尾文淵堂が「日本全国パノラマ地図」シリーズとして大正11年に発行した首都圏版に掲載。全
体の寸法は22.2×70.8cm。旅の図書館 蔵

上の図は、今から100年前の東京の中心部を鳥瞰図風に描いた絵地図である。大正時代の東京は人口が流入して都市化が進んでいた。主要な交通機関は、赤色の線で示された鉄道だった。

山手線は環状運転ではなかった

首都の玄関口となる東京駅が大正3年(1914)に開業し、都心と郊外に広がる住宅地を結ぶ中央本線が大正8年に東京まで通じると、乗り換えせずに都心をひとめぐりできる電車の「の」の字運転(中野駅〜東京駅〜品川駅〜新宿駅〜池袋駅〜田端駅〜上野駅間のルートがひらがなの「の」の字に似ている)が始まった。山手線は上野駅〜東京駅間が未開通で、この区間が繋がって環状運転を始めるのは大正14年(1925)のことである。いっぽう、総武本線は隅田川を越えていなかった。

山手線の内側をくまなく走るのは東京市電(のちの都電)の路線網で、都心を移動するのに便利だった。市電は1日の利用者が延べ100万人を突破し、黄金時代を迎えていた。図の緑で覆われた公園や名所に最寄りの電停を設けるなど、東京見物に欠かせない足となっていた。

取材・文/遠藤則男 撮影/藤岡雅樹(小学館写真室)

『鉄道開業150周年 日本鉄道大地図館』

2022年9月29日発売!

約150点の鉄道地図を、時代を追って掲載。
監修:今尾恵介
定価:3万9600円(税込み) 
仕様:A3判 418ぺージ 上製本 ケース付き 
※詳しくはWeb特設ページをご覧ください。https://www.shogakukan.co.jp/pr/tetsudou_chizu/
公式Twitter:@tetsudou_chizu
『日本鉄道大地図館』より上の「東京付近パノラマ地図」を掲載したページ。発行年や発行元、寸法などを添えている。「東京付近パノラマ地図」以外に、同シリーズ内の総武本線や高崎線、中央本線、東武線などの絵地図も取り上げている。

もれなく付いてくる2大特典

1. 吉田初三郎の傑作鳥瞰図風呂敷

稀代の絵師の代表作を使用。 約70.0×70.0cm『小田原急行鉄道沿線名所図絵』 昭和2年 横浜都市発展記念館 蔵

2.復刻版「運転事務用鉄道線路図」

運転士の業務用の冊子を復刻。 昭和39年12月1日発行 屏風折り、23.6×136.0cm 鉄道博物館 蔵

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※この記事は『サライ』本誌2022年9月号より転載しました。

 

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